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【総括】飯豊連峰縦走 2泊3日ファストパッキング(2017.8.10~13)

行ってきました、飯豊連峰!

田中陽希の「Great Traverse – 日本百名山 ひと筆書き」で飯豊山を見て以来、(相方が)「行きたい行きたい」と言っていた飯豊連峰。このお盆休みを使って2泊3日で行ってきました。

GWの奥秩父主脈縦走に引き続き、今回ももちろん縦走です。前回の縦走で連なる山々を歩いていくという「旅」に既にハマりました。

距離にして約50㎞と、前回の奥秩父主脈縦走に比べれば距離も短く、2泊3日で十分に歩ける距離。実際に3日通してほぼ歩き続け、走ったのは3日目ラスト4㎞の林道区間のみでした(走ったのには理由があるのですが…)。

 

それにしても今回も山旅らしく毎日いろいろなことが起こった(笑)

初めての避難小屋宿泊(シュラフ持参)、小屋から遠すぎる水場、稜線での横殴りの荒天、アブブヨとの闘い、そして少しだけ見せてくれた息を飲む絶景…

 

各日の細かい部分は次回以降まとめるとして、今回はまずは総括です。

飯豊連峰についてや、今回のスケジュール詳細、備忘としての荷物振り返り、コースタイムと行動実績との比較、なんかを記録していきます。

 

目次

飯豊連峰とは

では早速。まずは飯豊連峰について。

飯豊連峰(いいでれんぽう)とは新潟・山形・福島の3県にまたがる山塊で、「東北のアルプス」とも呼ばれるそうな。その名に恥じぬ雄大さでした。海から50㎞程しか離れておらず世界有数の豪雪地帯でもあり、夏場でも雪渓が残っています。

空の青・山の緑・雪渓の白が織りなすコントラストは、ただでさえ美しい稜線の景色をもう一段階引き上げてくれる、これぞまさに絶景。日本ではないみたいでした。そして、2000m級の稜線にはひたすら高山植物が咲き乱れていて、花好きな人にとっても楽しい山歩きだと思います。

日本地図でみるとだいたいこんな場所にあります。

 

 

 

 

 

 

 

地図上のポイントは飯豊連峰の主峰、百名山でもある「飯豊山(または飯豊本山)」。この飯豊山、そして連峰の最高峰である大日岳(だいにちだけ)などを連ねた山塊が飯豊連峰です。

 

スケジュール・ルート・高低図

お次は「計画概要」と「ルート・高低図」を振り返り。

 

【日程】2017年8月10日~12日(2泊3日)
※2泊は現地での泊数。実質は9日の夜行バスで新潟に移動したので車中泊1泊を含めると3泊4日。

【総距離】約50㎞

【宿泊】山小屋泊
1日目:朳差小屋(えぶりさしごや)、2日目:切合小屋(きりあわせごや))
※飯豊連峰の山小屋は基本避難小屋なので、寝具・食料は持参です。

【行程】
<前日>
夜行バス(大崎→新潟)

<Day1> 14.1㎞/約6時間
新潟駅→(バス1h)→越後下関駅→(タクシー0.5h)→大石ダム→カモス峰→千本峰→前朳差岳→朳差岳(朳差避難小屋泊)

<Day2> 21.3㎞/約11時間
朳差小屋→頼母木(たもぎ)小屋→地神北峰→門内岳→北股岳→梅花皮(かいらぎ)小屋 →烏帽子岳→御西小屋→飯豊山→本山小屋→草履塚→切合避難小屋(泊)

<Day3> 12.4㎞/約4時間30分
切合小屋→三国小屋→三国岳→上ノ越→弥平四郎登山口→弥平四郎バス停→(バス1h)→野沢駅→(タクシー5m)→ロータスイン温泉→(タクシー5m)→野沢駅

 

▼地図でみるとこんなルートです。下から上(福島→山形→新潟)へ縦走する人が多いようですが、僕らは上から下(新潟→山形→福島)へ縦走しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼高低図。見てのとおり、ほとんどは高度1500m~2000mの稜線歩きです。が、稜線に出るまでには登らなければいけないので笑、もちろん急登もあります。初日の急登はなかなかハードだった…。最初と最後の高度の低いエリアは平坦ですが、ここは大惨事でした…詳細は別途…

※この高低図はオフラインGPSアプリ「ジオグラフィカ」から抽出したデータですが、累積高度(∔)(-)については、こんなにはないと思います。(なぜこんな数値が出るんだろう…)

 

※オフラインGPSアプリ「ジオグラフィカ」に興味のある方は以下記事を参照。今回も大活躍でした。

【準備編①テクノロジー】オフラインGPSアプリ「Geograpfica(ジオグラフィカ)」(トレニックワールド100㎞に向けて)

 

荷物

備忘のために記載。興味ない方はスルーで。

※クリックで拡大します。

 

 

 

 

 

 

 

上記リストにないけれど、持っていけばよかった!というものは下記。こちらも備忘のため。

  • ビーチサンダル →雨天で靴がびしょびしょ。最終日のアフターがつらい。
  • マット →シュラフだけだと下が固くてやはりつらい。登山ビギナー丸出し(笑)
  • 耳栓 →山男たちのいびき大合唱は強烈です。寝付けません。

 

行動(コースタイムと実績タイムの比較)

次に、コースタイム、事前計画(→コースタイムの7割で想定)、そして実際の実績、を比較してまとめたものです。コースタイムに対してどのくらいのペースでいけば、今回の僕らの計画で移動できるのか、の参考にしていただければと思います。

コースタイム=
事前計画(7割想定)=緑」
実際の実績(到着/通過時間、出発時間、区間ごとの実績タイム)=青」
コースタイムとの比較(実績時間/コースタイム)=黄」

※クリックで拡大します。

 

 

 

 

 

 

日によって「Day1(登りメイン)」「Day2(なだらかな稜線歩き)」「Day3(下りメイン)」とシチュエーションは当然さまざまですが、それぞれ、コースタイムに対してどの程度の時間で移動できるかが、これを見るとよくわかります。

つまり、僕らの場合、

「Day1(登りメイン)」は、CT(コースタイム)の約7~8割
「Day2(なだらかな稜線歩き=要はフラット)」は、CTの約5~7割
「Day3(下りメイン)」は、CTの7~10割

で移動ができるということ。

ちょっとわかりづらいですが、赤字の数字は想定タイムと実績タイムとの比較です。

初日 → 101%
2日目 → 91%
3日目 → 100%

事前の想定では「全区間ざっくり7掛け」で計算していましたが、なんだかんだ最終的には帳尻が合って各日程ともほぼ想定通りで移動することができました。

ただ各日ごとに、より精度を高めた計画を立てれるようになる必要がありますね。

 

今回は3日目のラスト4kmのロード以外は一切走っていません。ファストハイクで多少早歩きペースですが、歩き続けました。それでもコースタイムに比べて、これだけ速いペースで移動ができるんですね。

最終日の下りは、想定ではもっと速く移動できると思ったのですが、今回は終始雨で、しかも足場が、岩場、木の根っこ、ずるずる腐葉土、とかなり滑りやすくなっており、思ったよりもスピードが出せませんでした。(2、3回派手にコケました)

 

ヤマレコの山行計画作成では、各日程ごとに移動時間の係数(コースタイムに対して何割で移動できそうか)を変更できるので、次回はそれも駆使して計画を立てたいと思います。

ファストパッキングにおける山行計画は、大前提に「無理のない計画」であることが当然ありつつも、「短い期間でより長く、遠くへ行きたい」というスタイルなので、今回もこうして振り返ることで次回に向けてのいい経験になりました。

 

 

ということで、今回は少しお堅めの内容でした。

次回以降、今回の山旅をたっぷりの写真とともに振り返っていきます!

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • 累計高度はログの精度によって多く出たり少なく出たりします。上下のノイズがひどければそれだけ多く出ます(集計部分にバグはありません)。

    ジオグラフィカではある程度均したり、実態に近い数値になるように計算していますが、それでも元々のログにノイズが多く含まれていればそれなりに多くなります。距離や記録ポイントが多ければそれだけノイズの影響も大きくなります(均しすぎると今度は「累計高度が少ない!」と文句を言われます)。

    iPhone6以降は気圧高度計が入っているのでマシですが、Androidはスマホ本体のGPS精度次第となります。iPhone6以降でその数値なら、きっとそれは正しい数値です。

    そういうデータですので、目安としてお使いください。以上、ジオグラフィカの開発者からでした。

    • コメントありがとうございます。まさか開発者の方からコメントがくるとは思ってもみませんでした。
      今回は、現地の山行ではログは取っておらず、ヤマレコで作成した山行計画からデータを引っ張ってきています。ヤマレコとのデータ連携において、同様の問い合わせなどは過去ありましたでしょうか?いずれにしても大変便利に利用させていただいております!素晴らしいアプリをありがとうございます!

      • 記事中で表示されているログはヤマレコからダウンロードしたもの、ということでしょうか?

        そうでしたら、そのログ(誰が記録したログかは知りませんが)にノイズが多いために累計標高が多くなったためと思われます。

        そのコースにおける実際の累計標高は、登りが3,600mで下りが3,350mです。アルパカナビという拙作のアプリでトラックをプロットして作り集計しました(集計プログラムはジオグラフィカと同じです)。

        という事で、記事中で使っているログはかなりノイジーという事になります。

        累計標高は記録間隔が多く、記録ポイント数が多ければノイズの影響が大きくなります。小さなノイズでも数が1万とか2万になると影響が大きくなります。

        一方で、自分のトラックログをヤマレコに登録して、『ヤマレコで累計標高を見る』と少なく出ます(低精度な標高データを使っているため)。

        累計標高は様々な理由(主にログの質)により、多くなったり少なくなったりするものです。

        なお、ジオグラフィカで記録したログをジオグラフィカの集計機能で見る場合は、ノイズを均したりしつつ、でも均しすぎて少なくならないように(累計標高は多くても少なくても文句を言われますが、ログの質次第なので限界があります)、できるだけ実際に近い数値になるように計算しています。

        記録間隔のデフォルト値も、記録ポイントが多くなりすぎないように調整してあります。たまに5秒毎にログを記録したいなんて人がいますが、ログのノイズを考えるとオススメしません。

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