先日「ブルベ」というロングライドに挑戦しました。距離は、えーと、600km(笑)
ほとんどの人が「ブルベってなに?」状態だと思いますが、ブルベは一言でいうと「ロードバイクのウルトラ版」といったところ。ブルベの全般的なことについては次回の記事に譲るとして、今回はひとまず600kmのレポです。
ブログ更新自体が4ヶ月振りですが、こういう大きめなチャレンジって、後々絶対自分の財産になるものだと思ってます。で、ふと振り返ったときに、その時に感じた感情が言葉として残ってると、よりリアルに情景や感情が蘇ってきて、それこそ自分の”力”になってくるはず。
ブルベとウルトラトレイルとの比較もしてみました。これは両方やってる人をあまり見ないので、たぶん僕じゃなきゃできない比較であろう。参考になるかどうかはともかくw
では、レポスタート〜。
新潟から東京までロードバイクで600km走った話
ブルベとはなんぞや、の前に先日(10/12〜13)挑戦した600kmのレポートから。
今回のイベントの正式名称は「2024 BRM1012日本橋600 〜北国街道リターン〜」です。サブタイトルに「北国街道」とあるように、旧街道を巡る旅でもありました。なので、コース上には「◯◯宿(じゅく)」のような宿場町がたくさん出てきて、昔の人はここで一休みしていったのかなぁと物思いにふけつつ、ひたすらペダルを回しました笑
【まさに旅】新潟to東京600km
とりま(とりあえずまぁ)、まずはこれを見ていただこう。
今回走った600kmのルートです。
車じゃないよ、チャリ(ロードバイク)でだよ。4〜5日とかかけてないよ、2日でだよ。
まぁなんつーかこれはもう、「アホなんですか?」とか「頭ネジ外れてます?」とか言われても仕方ないよな、と我ながら思いますわ。だって、どうみてもアホだもん。一つの画像内に日本海と太平洋両方映っちゃってるもん。このルート見て、自分でもスケールでかっ!と思いました。
ざっくり今回の行動スケジュールとしては、こんな感じ↓
- 10/11(金)仕事後、輪行(電車に自転車を積んで移動すること)で新幹線にて新潟入りしホテル前泊
- 10/12(土)6:30 新潟をスタート
- 10/12(土)17時間回して夜中の23:30頃、330km地点の長野佐久平にて風呂&仮眠休憩
- 10/12(日)4:00起床、5:00佐久平を再スタート(長野〜山梨〜神奈川へ経る)
- 10/12(日)17時間回して夜22:10(制限時間22:30) 東京(日本橋)にフィニッシュ
今回のブルベのサブテーマは「旧街道を巡ること」だったので、北国街道、甲州街道、中山道などを巡りながらの600kmでした。長野では善光寺や諏訪大社を通過したりもしたけど、観光は一切なし。写真だけ撮ってほぼ素通り泣
途中の仮眠場所などは特に決められているわけではないので、泊まるも泊まらないも、どこに泊まるかも含めすべて任意ですが、僕たちは330km地点で一呼吸。
風呂と仮眠で5時間程度のStayを挟みつつ、合計39時間45分をかけて(制限時間15分前!)、なんとか日本橋にフィニッシュしました。
ざっと丸々2日間自転車を漕いでいた(跨っていた)ので、もちろんお尻は痛いし、首肩背中はバキバキだし、ハンドルを握っていた手や上半身を支えていた腕やらも筋肉痛に…。
なんなら一週間経った今も、右足指の感覚がまだ少し麻痺ってたり、左手の親指母指球に違和感があって力がイマイチ入らなかったりと、ウルトラ系あるあるの”後遺症”が残っておりますw
いやー、疲れた!笑
【ガッツリヒルクライム】獲得標高は6,000m!
もう一枚こちらも載せておこう。今回の600kmの高低図です。
新潟は海沿いがメインだったので快調にフラットな道を飛ばしましたが、新潟脱出してからの長野・山梨がまぁ鬼w これはあかんて〜。えぐいて〜。
一つ一つの登りが長くてもはやそれだけでお腹一杯なんですが、上記高低図の通り、“◯◯峠”的なボスが5〜6名はいらっしゃっいました。もちろんこの高低図は600kmをギュギュギューッと凝縮しているので、これに表れない細かいアップダウンも多々あります。
長い登りに関していうと、ロードバイクは安易に止まれない分(止まると再出発がまじ大変)、一定の出力を出し続けなければならないので、僕的には自分の足で登るトレイルよりも辛いです。トレイルの登りは自分次第で心肺への負荷はコントロールできるのですが、ロードバイクの長い登りは、筋肉に加え、心肺への負荷が高めな印象。
とても良いトレーニングにはなりました(と思うしか、辛さを納める先がないw)。
とりあえず、本当にえげつなかったのは、500km手前の「笹子峠」な…。このタイミングでこんなのもってきちゃ、ダメ、絶対。(辛くて、途中、吠えた。)
【写真】思い出の写真たちを載せておく
ブルベには一応制限時間があるので、途中途中観光してる暇なんてものは基本ないのですが、CP(チェックポイント)では写真を撮っているので(今回はそういうルールでした)、記念に載せておこう。
※一般的なCP通過の際のルールは「ブルベカードを写した状態で写真を撮る」もしくは「コンビニで買い物をしてレシートをもらう」です。(コンビニがCPに設定されることが多いです)
【所感】ブルベ600kmやってみて(ウルトラトレイルとの比較付き)
ウルトラトレイルとブルベを両方やってる人も少ないと思うので、僕なりに比較してみました。
比較項目 | ウルトラトレイル(100マイル) | ブルベ(600km) |
---|---|---|
行動時間(僕の実績値比較) | 33時間26分(途中まとまっての仮眠はなし) | 39時間45分(途中5時間の休憩含む) |
距離 | 100マイル(約165km) | 600km |
獲得標高 | 約7,800m | 約6,000m |
体へのダメージ | ・接地衝撃がある分、体の関節や筋肉、内臓へのダメージが大きい ・仮眠しない場合が多く、レース後のダメージは大きめ | ・筋肉疲労とバイクポジションによる特定箇所への負荷はあるが、振動がないため関節系の痛みと内臓系の疲労はあまりなし ・眠い時間帯はあるが、仮眠による回復がだいぶ大きい |
眠気との戦い | ・あり。場合により幻覚を見るレベル。 ・滑落の危険があるので眠気が酷い場合は注意が必要。 | ・ありだが、通常レベルの眠気 ・スピードが出ている分、眠い状態では絶対に乗らない方がよい。命に関わる。 |
集中力 | ・必要だが、ずっとは不要 ・淡々と歩みを進めることに集中はするが、神経尖らせる系の集中力は不要。 | ・ずっと必要、時に超必要 ・大型車も通る公道での走行、峠越え後の下り(時速40〜50km以上)は全神経を尖らせて集中。転けたらまじで終わり。 |
トイレ事情 | ・大変(特に大の場合) ・エイドのトイレも簡易トイレであることが多く基本不衛生 | ・コース上にコンビニがたくさんあるので、特に問題なし |
心理的安全性 | ・山なので何かあった時すぐ近くに何かがあるわけではなく、心理的安全性はとても低い ・セルフレスキューの知識必須 | ・舗装路(人工物)をひたすらいくし、コンビニもたくさんあるのでトレイルに比べ、心理的安全性は圧倒的に高い |
ウェアや体のきれいさ | ・とても汚れる(途中からどうでも良くなる) | ・最後まで基本きれい(途中の仮眠で宿を取れば風呂も入れて綺麗さっぱり心機一転) ・コンビニやルート上の公園で顔洗ったりもできる |
他にも比較項目あるかもしれませんが、僕が今回感じたのはこんなところです。
結論、ウルトラトレイル(100マイル)のほうが、フィールドが「山」ということもあって、「サバイバル性」が圧倒的に高いです。故に「己の限界への挑戦」といった観点からしても、やはり圧倒的にトレイルのほうが上かなと。
でも、ブルベも侮るなかれです。
ブルベ600kmは途中にまとまった休憩を挟めるとはいえ、行動時間が単純に長いので相応に疲れるし、今回はあまり触れていませんが、これがブルベ400の場合、距離は600より短いものの、途中のまとまった休みなしで400km走るので、実は「ブルベ最難関」と言われていたりします。
いずれにせよ、山猿家のように、一丁前にウルトラマラソンやらウルトラトレイルやらの長距離・長時間系の経験があり、且つ、その類が好きで、且つ、ロードバイクを乗っている人間、となると、一定の人はこの”ブルベ”に行きつく(興味を持つ)可能性がありますw
僕はどちらかというと、多少体力はあれどマインドは元来平和でのぉのぉと暮らしたい人種です(ほんとですよ!笑)。運動を継続している理由も突き詰めると単純に「太りたくない!」だけが僕のモチベーションなので、まさかロードバイクで600kmも走ることになるなんて夢にも思わずでしたが、相方に言われるがままに便乗ライドをしております。
んが、一つだけ間違いなく言えること。これはウルトラトレイルも共通なのですが、
「達成感」は半端ないです。まじで。
「生きてる」って感じがします。
ウルトラ系はドラッグなんだよな。
ブルベ参戦歴
今回の600kmに至るまでに、ちゃんとステップを踏んでおりまして笑、かれこれ去年2回、今年5回(今回含む)と、いつの間にやら割と経験値は積んでます。
これまでのブルベ参戦歴は以下の通り。
23年7月 千葉房総トライアルブルベ 100(4h51m)
23年9月 鎌倉〜箱根〜大船 200(12h18m)
24年1月 伊豆↔︎富戸/東伊豆 200(10h23m)
24年2月 ぐるっと三浦半島 200(12h11m)
24年3月 埼玉アタック宇都宮 300(16h33m)
24年4月 高崎発小江戸めぐり 400(23h42m)
24年10月 北國街道リターン 600(39h45m)
オケツについてる数字が「距離(時間)」ですが、順調にクレイジーな道を駆け上がってきていることがよくわかりますw 今では100kmなんて距離、ほんとかわいいもんです。
それぞれStravaのログをアップしておくので、走ってみたい方はどうぞご自由に〜(ってほぼいないと思うけど笑)
23年7月 千葉房総トライアルブルベ 100(4h51m)
23年9月 鎌倉〜箱根〜大船 200(12h18m)
24年1月 伊豆↔︎富戸/東伊豆 200(10h23m)
24年2月 ぐるっと三浦半島 200(12h11m)
24年3月 埼玉アタック宇都宮 300(16h33m)
24年4月 高崎発小江戸めぐり 400(23h42m)
24年10月 北國街道リターン 600(39h45m)
それぞれ完走すると「認定メダル(完走メダル)」が1,000円で買えるのですが(貰えるのではなく買います笑)、現在こんなことになってます。誇らしいっちゃ誇らしいw
ちなみに600の次は1,000km。さらにその先はブルベ発祥の地フランスで開催される、ブルベ最高峰レース「パリ・ブレスト・パリ」というのがあるのですが、1200km、、、、やりません!
以上、レポ終わり。
▼ウルトラ系に興味のある方はこちらもどうぞ
コメント