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【加齢と筋肉痛|リサーチ編】歳を取ると筋肉痛が遅れてくるのは本当か?

昔(20代の頃)がどうだったかは正直忘れたが、今現在(40歳)、50〜100km程度のそれなりに負荷の高いウルトラトレイルなどに出ると、翌日は意外なほど身体が軽くて筋肉痛の気配もほとんどない、といったことがある。(もちろんレース直後は体はバキバキだが、それは今回のテーマとは別の話)

ただもちろん、そのまま筋肉痛が来ないなんてことは残念ながらなく、レース2日後あたりから確実に筋肉痛ややってくる。(ついでに浮腫もきて体重がレース前より2〜3kg増える。まぁでもこれは正しい生理現象。)

今回のテーマは「加齢と筋肉痛の関係」について。40界隈にもなってくると、周りでは「筋肉痛遅れてきた、、俺も歳取ったわ、、」みたいな会話が出始めるのだけど笑、果たしてこれ(=歳を取ると筋肉痛は遅れてくる)って本当なのか?

確かに僕個人の実感としても徐々に遅れてきているような気はするものの、科学的にはどんな話になっているのか知りたくなっていろいろと調べてみました。

目次

【基礎】そもそも「筋肉痛」とは?

早速結論から!といきたいところだが、別にこれ、趣味ブログなので自分の理解の過程をそのまま踏ませていただく。不要な箇所はすっ飛ばしてください。

ということで、まずは「筋肉痛」の基礎知識から。

筋肉痛には「早くくるもの」と「遅くくるもの」の2パターンある

前提として、筋肉痛には以下の2パターンがあることをまず整理しておく。

「即発性筋肉痛」:運動の最中や直後に発生する
「遅発性筋肉痛」:運動数時間後から翌日以降に発生する

で、今回取り上げるのは、後者の「遅発性筋肉痛」

こちらの定義は「激しい運動や慣れない動きをしたあと、12〜72時間後をピークとして筋肉に痛みや張りを感じる現象」とのこと。俗にいう「一般的な筋肉痛」はほとんどの場合こちらを指す。そしてそもそも「12〜72時間」というかなり広いレンジがある。

まぁ、”人それぞれ”とか”運動強度によって”とか、きっといろいろありますわな。

※ちなみにそもそも「筋肉痛」って?も言語化しておくと、『筋肉を激しく動かした際に「筋繊維」が傷つき、それを修復するときに「炎症」が起こり、そのことで痛みを引き起こす現象』です。

なぜ筋肉痛は“遅れて”やってくる?

加齢との関係性はひとまず置いておき、先にまずはこっちから。

なぜ筋肉痛は遅れてやってくるのか?(つまり遅発性筋肉痛のほうの話)

これの解答は以下。人が「筋肉痛きたわー」と”痛みを感知”するまでには、以下のプロセスがあるらしい。

1. 運動を通して筋繊維が微細に損傷する(※損傷が激しい場合は「肉離れ」(俗称”ミートグッバイ”)
2. 損傷に対し、身体が修復活動を行う過程で炎症が発生する → 痛み物質が生成される
3. 痛み物質が神経を刺激する → 筋肉痛として痛みを感じる

今回のテーマを踏まえると、大事なポイントは次の点。

これらのプロセス(炎症反応→痛み物質生成→神経刺激)は、瞬時に行われるものではなく相応の時間がかかる

ということ。

そもそも遅れてくるのは当たり前ってことです。で、問題は「翌日にくるか二日後にくるか」みたいなところだが、それは次項で。

【本題】加齢によって筋肉痛は本当に遅れてくるのか?

ということで、本題。

「歳を取ると、筋肉痛が遅れてくる」── これマジ??

これなんとなーく信じられている通説だけど、実際どうなの?

加齢によって「身体に変化」があることは間違いないので、まぁそら何かしら影響はしてるよね、とは思うものの、じゃあ具体的には、「身体の何が(加齢によって)変わって」それが「筋肉痛にどう影響しているのか」、その辺りの解像度を上げていく必要がある。

加齢による身体の変化

ということで、前提として、年齢を重ねることで身体に起こる主な変化をまず整理してみる。

(「変化」といいつつ、これは「加齢に伴う変化」なので、つまりは基本的に「低下」を指すw。悲しいが、受け入れよう、、)

身体の変化は主に以下3つ。

  • 「筋肉の修復スピード」の変化(低下)
  • 「神経系の伝達速度」の変化(低下)
  • 「炎症反応」と「免疫機能」の変化(鈍化 ※まぁこれも低下です)

どれもまぁイメージがつくところかとは思うが、それぞれ以下のような感じ。

加齢とともに「筋衛星細胞(筋肉を修復・再生する細胞)」の働きが低下することがわかっており、これがまず、筋肉の損傷後、回復までに要する時間が長くなる原因の一つ。【筋肉の修復スピードの低下】

加齢により「神経の伝達速度」が低下し、痛みに対する感受性も変化する。これが「痛みを感じるまでのタイムラグ」に関係している可能性があるらしい。【神経系の伝達速度の低下】

加齢に伴い「免疫細胞の働き」や「炎症反応の速度」が緩やかになる。これにより、筋繊維損傷後の「炎症→痛み物質生成→痛覚刺激」という一連のプロセス自体が若い時に比べて遅れると考えられている。【炎症反応と免疫機能の鈍化】

※「らしい」やら「考えられている」やらの表現を多用しているが、この領域はまだまだ解明されておらず研究途上らしいです。でもまぁ、上記内容は概ね「そうだよね」の世界だとは思う。(けど、実は乳酸は疲労とは関係なかった!みたいな件もあるから、今後の研究によっては、引っくり返されるような可能性もあるのかも)

研究事例:年齢と遅発性筋肉痛の発症時間

ちょっとエビデンス的な話に突入します。

まだ研究途上の領域とはいえ、実際にいくつかの研究では「年齢と遅発性筋肉痛の発症時間の関係」に相関関係があることが報告されている。

研究事例①:「加齢によって炎症のピークが遅れる」

複数の研究で、年齢が上がるほど筋損傷後の炎症反応が遅れることが報告されている。

2008年に発表された研究(Lavender & Nosaka)では、若年層(18〜25歳)と中高年層(45〜60歳)を対象に、同じトレーニングを行ったところ、筋肉痛のピークは若年層で48時間後、中高年層で72時間後に観察された。

また、クレアチンキナーゼ(CK)という値の上昇が、中高年層では遅く且つ持続時間が長かったという結果も出ている。これは、損傷→修復の過程がゆるやかになっていることを示唆している。

研究事例②:「”年齢”よりも”トレーニング状況”の影響も大きい

一方で、年齢よりも「トレーニング歴」や「運動習慣」が筋肉痛の発生に与える影響が大きいという研究もある。

2014年の研究(ニュージーランド オークランド大学/2014年)では、遅発性筋肉痛の出現タイミングやその程度は、年齢よりも「その運動にどれだけ慣れているか」に強く依存すると結論づけられている。

つまり、50代でも、トレーニング歴が長く負荷の調整やコントロールに慣れている、もしくは「慣れた動き・負荷」であれば、20代の初心者よりも筋肉痛が早く出たり、軽度で済んだりするケースがあるということ。


おや?これは新鮮な見解きたぞ?

・・・ん??むむむ!?

この2つ目の研究結果。

なんだかちょっと通説とは違う方向性の話しじゃないかい??つまり、筋肉痛が遅れてくるのは単純な”老化現象”のみが要因ではないってこと??

これはもしかしたら、筋肉痛が遅くきたからといって「自分も歳を取ったな…」と、短絡的に自分を卑下しなくてもよいってことなのでは…??

別に筋肉痛が遅くくること自体をそもそも悪いこととも思ってはいないので卑下しているわけでもないのだが、加齢に伴って「筋肉痛の感じ方が変わる」のいうのは、好奇心マンからうすると興味深い事実ではあり──

今回の記事は一旦ここまでとし(長すぎる記事≒読み応えのある記事wはたま〜に、にする)、次回は「では、どうすればいいのか?」という“対策”に焦点を当てて書いてみようと思います。

「対策」なんて書くと、「筋肉痛=解決すべき課題」みたいな見え方になるけど、そういうニュアンスよりは「体のメカニズムを知る」という好奇心を満たす、のがこの記事を書くに至っているモチベーションです。

観点としては「筋肉痛の発生の早い/遅いや、発症の度合い(筋肉の痛みの度合い)をコントロールすることはできるのか?」みたいな話。

ということで、リサーチ編はおしまい。いつもに比べてサクッと読めたでしょ?笑

▼後編はこちら

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