「奥秩父主脈縦走」Day2です。
※準備編はこちら。エピローグ、準備編①、準備編②
※旅の記録①はこちら。旅の記録①(瑞牆山荘→大弛小屋)
Day2
〈概要〉
【日時】5月4日
【天候】晴れ
【行程】※()は標高
大弛小屋(2362)→国師ヶ岳(2591)→東梓(2271)→甲武信ヶ岳(2475)→破風山避難小屋(2141)→破風山(2317)→雁坂峠(2071)→雁峠(1783)→黒エンジュ(1741)→山の神土(1871)→将監峠(将監小屋)(1797)
【距離】約30km
予想通りこの日が一番つらい行程となりました(笑)
残雪あり、直登あり、崩落個所あり。いつもであれば相方と一緒の場合、30㎞ぐらいであれば7、8時間の行動時間でいけますが、さすがに今回はそうとはいかず。
しかも小屋での夕食時間を考えると17時までには着かないといけない。(結局到着は18:00…)残雪エリアを抜ける時間帯によっては、最悪宿泊小屋を手前の雁坂小屋に変更することも頭に入れた上で、いざ2日目スタート。
振り返り(時系列)
※下記「( )」はチェックポイント間の所要時間、「CT」はコースタイムです。
例)(35/CT50)→コースタイム50分に対して所要時間35分
【大弛小屋】4:40発
朝食は5:30~ということだったので、この日の行程を考慮し、お弁当を前日のうちにもらっておきました。ということで、4:00起床の4:40スタート。朝は早いですが寝たのも早いので問題なし。(でも夜中に3回起きた…)
「4:30にスタートしよう」と言っていたのに、モタモタして4:40になったため、相方の機嫌を若干損ねる…汗。「いいじゃん10分ぐらい」と思う僕に対して、「決めたことはちゃんとやる」のが相方のモットー。
ということでスタート直後は無言で登る。。(笑)
【国師ヶ岳】5:20着(40/CT60) 5:25発 ★日本300名山/山梨100名山
今回の縦走での最高地点はこの「国師ヶ岳」。標高2591m。日本300名山のようですが、200名山ぐらいに入れてあげてもいいのに…笑
国師ヶ岳までの道のりも雪・雪・雪。標識埋まりすぎでしょー!
国師ヶ岳の少し手前の「前国師ヶ岳」では朝焼けを一瞬だけ堪能。めちゃくちゃ綺麗な朝焼けとはいかずとも、まぁいいでしょう!許す!
国師ヶ岳山頂にて。
早朝はさすがに冷えるので、ウェアは「ベースレイヤー+半袖シャツ+長袖シャツ+シェル+レイン」の5枚重ね。雨は降っていませんでしたが、持っている装備が限られているのでレインも着て防寒対策。ちなみに5枚も重ねなくても大丈夫でした^^;
富士山がバックにあると画になりますね~。
ここまでひと登りしてまだ5時台前半というのが嬉しい。朝一でまだまだ元気なので、登りでもコースタイムの約7割弱のペース。うん、この調子なら今日の小屋へも17時までに着けるかも⁉
【東梓】7:10着(105/CT120) 7:10発
特になにもない「東梓」。あずさっていう響きはいいですね(笑)
大弛小屋からはもちろんずっと残雪エリア。前日のように踏み抜きでキャピキャピする時間は終わり、ただ黙々と雪道を進む(笑)。
雪はいい感じに締まっていたので比較的歩きやすかったのですが、一回微妙にロストしたときの「踏み抜き地獄」は笑えませんでした。「踏み抜き地獄ってこういうことを言うのか」と体感。
後ろの人も付いてきちゃって「この道合ってます?」って(笑) いや、間違えました、すみませんm(__)m
【甲武信ヶ岳】9:30着( 140/CT185) 9:45発
ついに登頂!甲武信ヶ岳!日本百名山!
特に日本百名山を踏破しようとは思ってはいないのですが、なんだか嬉しい。標識に「百名山」と刻まれているのがカッコいいです。威風堂々。
ピーカンの青空というわけにはいきませんでしたが、富士山もくっきり。
ただ、ここまでの登りの雪道でそれなりに体力を消耗しており、そのあとの行程も詰まっていたので時間に追われるようにして記念撮影をサクッと撮ってすぐに出発^^;
小屋での朝食は摂らずに自前のパンや行動食のみでここまできましたが、やはり朝食は大切ですね。朝4:30(あ、4:40です…)から動いていることもあり、さすがに空腹感。
【甲武信小屋】9:55着 10:15発
というわけで、ここで食事休憩。大弛小屋でもらった弁当をかき込みました。おにぎりとかだと思っていたけど、なかなかの弁当じゃないか。
ちなみに甲武信小屋は当初の計画で初日に泊まろうとしていた小屋。初日にここまでくるのはさすがに無理がありました。変更してよかった。
甲武信小屋にはもちろん水場がありますが、有料です(写真の右側が水場)。1L 50円。1L分だけ購入。小屋のおっちゃんからは「1Lって書いてあるけど適当でいいよ」と言われましたが、僕は日本人なので、1Lをきっかりいただきました!
甲武信小屋、そのうち泊まってみたいですねー。
弁当も食べてエネルギーに満ちたところで出発。まだまだ先は長いぜ。
【破風避難小屋】11:00着(55/CT55 ※所要時間は甲武信小屋での休憩除く) 11:05発
残雪エリアの下りは、下りといえどもなかなかスピードが出せずコースタイム通り。うーむ、予想以上に雪道って大変。今回の大きな学びです。
そして避難小屋の後ろにそびえ立つ破風山(笑)。けっこう疲労感があるなか、いまからこれを登るのか…^^;
時間的にはそろそろお昼。甲武信小屋でお弁当食べたけど、さすがにあれだけではエネルギー不足になりますからね。でもこの日は残りの行程を考え、山飯は断念。行動食のみでひたすら歩くことに決定(泣)
【破風山】11:40着(35/CT50) 11:45発
破風山はつらかった!コースタイムに対してはかなり頑張りましたが、登りも下りもなかなかの直登でかつ残雪もありしんどかった。。
ちなみに「はふうさん」ではなく「はふさん」です。
そして「破風山」とも「破不山」とも書くようです。
破風山のあと「東破風山」というポイントを通過します。その区間ですれ違ったOMMのザックを背負った明らかに強靭そうな男性から「東破風山からの下り、けっこう危険なので気を付けて!」とアドバイスをもらい、気持ちを再度引き締め。
案の定、残雪が少し解け始めた急な下りでした。
こういうちょっとした情報交換って大事ですね。
【雁坂峠】13:10着(85/CT105) 13:20発
ここに来るまでもまだまだ残雪がありました。難儀難儀。
ただすべてが残雪というわけではなく、ところどころ土も露出し始めてきました。
チェーンスパイクを着脱するタイミングが難しかったですね。
山ビギナーの僕は一旦残雪が途切れると「もう雪はないだろう」と思って、チェーンスパイクをいちいち閉まっていましたがこれは失敗(笑) 面倒くさいったらありゃしない。こういうときは、外したチェーンを手に持って動くべきと学びました。
途中にはこんな気持ちのいい稜線も。ここは一瞬でしたが。こういったシャッターチャンスを逃さないようにけっこう頑張っています(笑)
このつづら折りを降りたところにあるのが「雁峠」!
【雁峠】14:50着(90/CT165) 14:50発
雁峠到着!
雁峠に近づくにつれ、ようやく残雪エリアを抜けます。チェーンスパイクはここで御役御免。
このコースタイム、ヤマレコで拾ったデータなんですが合ってるのかな?さすがにコースタイムに対して所要時間が速すぎるような…。まぁ、いいか(笑)
ちなみにこのつづら、標識側から見上げてみるとおわかりの通り、クネクネいかなくてもストレートで降りれます(笑) 「つづら」か「ストレート」か、どちらを選ぶかはあなた次第!
ここまでの進捗によっては笠取小屋での宿泊も頭に入れていましたが、結局当初の予定どおり将監小屋まで行くことに決定。ただ時間的に厳しいことは変わらず。この時点では「小屋での夕飯は諦めよう」なんて話も相方としていました…。あぁ夕食…。
さて、先を急ごう。がんばろう。
【黒エンジュ分岐】15:50着(60/CT65) 15:50発
黒エンジュから将監峠直前のポイント「山の神土」までが辛かった。アップダウンはさほどないものの、トラバース(山の斜面を横に横断)を延々1時間40分。体力的にもしんどかったので、黙々とただひたすらに進む時間(笑)
相方の機嫌もさすがに悪くなっているような…。いや、僕はなにもしてませんよ!
途中崩落箇所も何か所かあり「これ合ってるの?」「え、これ行けるの?」っていうようなところも。体力的にも精神的にもダメージ大。
崩落が一番激しかったところ。マーキングも二方向(上側と下側)にあり、どちらに進めばいいのか迷う。雨が降っていたら危険すぎてきっと通過できなかったでしょう。トラバースも終盤に差し掛かったぐらいのところまで来ていたので、いまさら折り返すのも不可能。
ここを通過できたときはさすがに安堵しました。
ちなみに下記写真は「山の神土」の標識ですが、上から二つ目の標識左端に白い紙が貼ってあるのがわかると思います。これは「山の神土」側から「黒エンジュ」方面に進んだハイカーが貼ったもので、内容は「この先崩落個所複数あり。危険なので引き返しました。2017年4月19日」。
なんだか紙一重で通過してきたと思うと、ひやひやしますね^^;
ほんとにたどり着けてよかった…
またこの区間のつらさに追い打ちをかけたのが、GPSウォッチの電池切れ。
相方の時計は、今回持参したモバイルバッテリーからの充電がなぜかできず、2日目半ばにしてご臨終。そして僕のも、もともと駆動時間が長くはないためこの区間の途中でご臨終。(モバイルバッテリーで充電はできたのですが、充電しながらの使用はできないようで、ログ取りは一旦中断せざるを得ませんでした。)
結局「自分たちが今どこにいるのか」「あとどれくらいで次のポイントなのか」をGPSウォッチに頼っていたので、途端にそれらがわからなくなりました。
もちろん山地図は持っていたし、トラバースの道は明確に続いていたので、だいたいの場所はわかりましたが、崩落個所に差し掛かると本来のルートが変わっていたりして、これで合ってるのか?と少し不安になったり。
こういった事態に備えて、読図をしっかり勉強せねばと思った次第です。
【山の神土】17:40着(100/CT120) 17:40発
ようやく着いたときの安堵感といったら!
はい、上と同じ写真ですが、もう一度。だってほんとにものすごく安心したので!!おそらく僕以上に相方はそう感じたでしょう。体力的にも精神的にもかなりヘバッていたようなので^^;
ここまで来たら将監小屋はもうすぐ。なんとか日が落ちる前に小屋に到着することができそう!夕飯は…半分あきらめモード。もらえたらラッキーぐらいな感じ。
あーお腹空いた…
【将監峠(将監小屋)】18:00着(20/CT20)
ついに到着!
将監峠からゲレンデのような傾斜を少し下がっていくと見えてきました。テン場にはカラフルなテントがたくさん。小屋からはモクモクと暖炉の煙(煙見えませんが)。
素晴らしい小屋でした。
夕食も「もう夕飯みんな終わっちゃってるんだけど出しますんでね」と(嬉泣)。
しかも「ゆっくり食べて大丈夫ですよ」と(大嬉泣)←読み方不明
美味しいカレーを食べて身も心も復活しました。
相方よ、よく頑張りました。たらふくお食べなさい。
トピックス
《残雪エリアを含む山行計画について》
今回の「最大の反省点」です。そして「大きな学び」となりました。
山に慣れている人からしたら当然のだと思いますが、少し甘くみたのが事実m(__)m
残雪エリアでは思ったようにスピードが出せずに時間短縮ができませんでした。同行するメンバーにも拠るとは思いますが、「とにかく余裕をもった計画を立てること」。これがなにより大事。
当たり前の結論ですが、「体感として」わかりました。山ビギナーとしては大きな学びです。
《将監小屋》
暖炉も大きくあたたかく、大弛小屋に比べて部屋全体が断然暖かかったです(笑)
さらに、ここはバイオトイレが設置されているのが特徴。山小屋のトイレとしては申し分なし!・・・なんですが、あえていうなら男女共用2つ+男子用2つではなく、男女共用3つ+男子用1つ、もしくは全部男女共用にしてくれると、早朝のトイレの長蛇の列が緩和されるのではないかと…。
贅沢は敵ですね。はい、失礼しました。素晴らしいトイレです。
水場もすぐ近くでとても便利。
この日の宿泊客は大部屋いっぱいに30~40名ほどはいたと思いますが、トラブルひとつなく快適に過ごしました。
20時消灯だったのに、実際に電気消されたのが21時だったことはここだけの秘密。小屋番さん忘れちゃったんでしょうね(笑)
テン場の様子。満席です。
というわけで、なんとか計画通り将監小屋までこれて一安心!
最終日は雪もなくあとは基本下り基調だし、ゴール地点には三日振りのお風呂が待っています!そう考えただけで今日の疲れも吹っ飛びますね!それだけでもう元気!(笑)
ささ、今日は頑張ったし、寝よ寝よ。(疲れていたのか一度も起きずに爆睡でした)
Day2以上!
▼Day3
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] ※旅の記録はこちら。 旅の記録①(瑞牆山荘→大弛小屋) 旅の記録②(大弛小屋→将監小屋) […]