【戒め】「雪山」に踏み出そうとしている自分へ。

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いつかはくるだろうなとは思っていたが、いよいよというかやっぱりというか、「雪山」に興味を持ち始めてしまった。

自分の中の「遊び」に捧げる経済的・物理的・精神的・その他諸々の総和を「10」とすると、今年はコロナによりレース参戦がなくなったことで、それが「5」ぐらいに減った。いや、もっとかもしれない。

例年この時期は(というか年中)何かしらのレースに毎月1~2本はエントリーしていたので、それを中心に僕の"山活"は回っていたわけだが、今年はそれらがぽっかりなくなったことで「余白」が生まれた。

で、レースの代わりとなる「新しい山の楽しみ方」を自然と求めるようになった。最近やり始めた「百名山ハンター」なんかもその一つだ。

何かがなくなると何かを求める。裏返すと、何か新しいことを始めようと思ったら何かを手放さないといけない、ということなのかもしれないが(そこらの自己啓発書に書いてありそうなこと言ってみた)、とにもかくにも、今年は半強制的に「余白」ができたので、そんなら雪山やってみるか、と思うに至っている。

…のだが、そんな新たな遊びを開拓しようとしている自分に、今回ばかりはちゃんと伝えておくべきことがあるので、初心忘れるべからず、という想いも込めてここに記しておきたい。

雪山をなめるな

もうこれに尽きる。これ以上もこれ以下もない。

こんなことをわざわざ書くぐらいなので、雪山をやろうと思い立っている現時点では一切雪山をなめていない。むしろ「ワクワク」した気持ちよりも「怖い」という感情のほうが勝っているぐらいだ。

だが、今後雪山に慣れてきたときに、きっとどこかのタイミングで「心の隙」が必ず生まれる。

「心の隙」といえば、つい先日登った北アルプス。天候にも恵まれ、大絶景とともに素晴らしい思い出となった山行なのだが、大いなる反省点が一つ。

ヘルメットを持っていかなかった。ヘルメットいるかね?という会話は確実にしたのだが、最終的に持っていかなかった。事前のリサーチも足りていなかったが、確実にヘルメットが必要な岩稜の稜線区間があった。何事もなかったのは「運が良かった」だけ。これは本当に反省している。

雪山をやるにあたって、早速"雪山本"を少し読み始めているが、こんな負い目に感じていた出来事があった直後だったこともあり、印象に残った一節がある。

夏山では、仮に不足な事態に遭遇しても、体力次第でなんとかなってしまうことが多い。夏でも低体温症のリスクはあるが、冬期のように気温がマイナスになることはないし、凍傷になることもない。だが、雪山では「体力だけ」ではどうにもならないことが圧倒的に増える。

山と渓谷社「雪山登山」

肝に銘じたい。

人事を尽くして天命を待つ

これも書籍からの引用だが、雪山に対してのスタンスの話。

雪山に限らず「山」で遊ばせてもらう上で、改めて大切にしなければいけないスタンスだな、と胸をグサッと刺された気持ちになった言葉。

人事を尽くして天命を待つ。

とかくトレランから山に入った僕のような人間にありがちだが、街ランをするような気分と装備で山に入ってしまう人がいる。

僕自身も"ザ・山屋"からみたら半袖短パンでザックも小さいし、それこそ「山なめとんのかい!」と思われているかもしれないが、一応どんなに晴れていても、レイン上下、ヘッドライト、エマージェンシーキット、ココヘリ、などなど最低限の山装備は常備しているし、体力にも自信がある(でも、体力だけじゃどうにもならんよ雪山は、というのは先述したとおり)

まだまだ意識が低い僕なんかが堂々と言えることでもないのだが、とにかく「気軽に山に入ってはいけない」のだ。

こんなことを書くと、「山ってほんと最高だから、みんな山に行こうぜ!」と本当はめちゃくちゃ山の啓蒙活動をしたい自分の気持ちとは矛盾するのだけど、ここはやっぱり大事なところ。

というか、自分自身に対してのメッセージでもある。

僕自身7~8年前にトレランに出会って以来、それなりにたくさんの山に触れ、悪天候の長距離レースも経験したし、体が吹き飛ばされそうな暴風雨の稜線を歩いたこともある。

確実に山レベルが上がってきているのだが、そんな僕が最近なにを感じているかというと、たまに「山に入るのが怖いな」と思うときがあるのだ。

人生山に捧げてもいいかなと思うぐらいの山の素晴らしさを五感すべてで体感する一方で、山を知れば知るほどに、「一歩間違えたら死ぬな」ということがリアルに想像できてしまうのだ。

きっと"山の達人"であったであろう著名なトレイルランナーなんかがあっさり亡くなってしまうようなニュースがあったりすることも、間違いなくその感情に拍車をかけている。そんな人でもあっさり死ぬのだ。

「普通の山」ですら、体力や運動神経関係なしに"死"と隣り合わせなのに、これから挑もうとしているのは「雪山」なのだ。リスクは夏山の比じゃない。

大切だから、もう一度書いておこう。

「山は気軽に入ってはいけない」(正しい知識と装備を持って入るべし)

でもやっぱり「雪山」に行ってみたい。絶対に感動する何かがあるから。

こんな感じで、格好つけてるわけでも真面目ぶってるわけでもなんでもなく、本当にかなりビビッてはいるのだが、雪山に行ってみたい。スキーやスノボではなく、自分の足で雪山に登り、雪山にテントを張り、雪山で過ごす、ということをしてみたい。

雪山の景色を見たい!ということに加えて、晴天の雪山の中でのあの「凛」とした空気感の中に身を置いてみたいのだ。

この「凛とした空気感」というのも雪山未経験の僕にとってはもはや妄想でしかないのだが、きっと、初めてアルプスに登ったときにみた地球ってこんなにすごいのかと思わされた絶景と同じぐらいのレベルで、またなにか強く感じるものがあるのではないかと思っている。

それを味わってみたい。

この"灯"はおそらくもう消えることはないので僕は雪山にいく。どれだけお金が掛かるのかわからないけど笑、僕は雪山にいく。そのためにも事前にできることはすべてする。

「人事を尽くして天命を待つ」。

このブログに絶景雪山写真が並ぶ日もそう遠くないよ。

お楽しみに。