【参戦レポート①】第8回イセエビCUPおんじゅくオーシャントレイル(2020年2月2日)| “あの人”と数キロ一緒に走って感じたことを伝えたい。

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どうも、こんにちは。

今年一発目のトレイルレースはこれに出てきた。千葉県は御宿で開催される「イセエビCUPおんじゅくオーシャントレイル」。

イセエビにオーシャンになんだかトレランの香りがあまり漂ってこない大会名なんだけど、一言でいうと「とてもいい大会」だ。(語彙力…)

ちなみに今回が8回目の開催。

実はこの第1回の大会に僕は参加していて(実に7年前!)、実はそれが人生初トレイルレースだったりするもんだから、なんだか思い入れも深い。なんてったってここから山猿が始まったのだから・・・(テンテンテン)

その辺りを絡めて書くと、僕のトレランとの出会いから話が始まるのでこの後10000字ぐらいは余裕で書けると思うのだが、今回はそんな「時間泥棒」はしない。もし万が一、山猿トレランヒストリーに興味のある「モノ好き」な方がいたら、DMでもくれれば直接お会いして3時間ぐらいしゃべり続けますのでご連絡ください。

今回は僕なんかよりもっともっとすごい「あの人についての話」だ。もはや参戦レポートではなくなると思うけど、まぁいいや。

ちなみに奇跡的に第1回参加時のレポートを「山猿MEMORIES」などというダサダサのキャッチをつけて書いていたので一応掘り出しておく。(山猿MEMORIESは確か3回目ぐらいで終わった)

「でしょ~、25年やっても全然飽きないもん。」

いきなりだけど、はい、これ誰の言葉でしょーか?

トレラン歴25年というところでピンとくる人もいるかもしれない。

僕のトレラン歴は冒頭の通り「7年」なのだけど、この方は「25年」。長い。めちゃくちゃ長い。僕がトレランではなくて"サッカー"を始めた10歳頃にはもう山を走り始めていたというのだからまさに「先駆者」。当時「トレイルランニング」なんて言葉が存在しなかった時代から山を走っているのだ。そんな人、もはや「あの人」か「あの人」ぐらいしかいないでしょ。(厳密にはたくさんいたと思うけど)

いつもはもっともったいぶるのだけど、最近読んだ本でまたしても「結論を先に言え」とあって(そんなことはわかっているんですよ)、今はそのモードになっているので、今回は特別に早々にお伝えしよう。

この言葉の主はずばり"あの人"だ。(キャプチャ写真で出しちゃってるけど笑 )

そう、レジェンド鏑木毅。

この写真は僕が今回のレース中に撮影したもの。我ながら走りながらよく撮ったと思うが、幸福なことに道中数キロを鏑木さんと一緒に走ったのだ(もちろん勝手に)。

鏑木さんはいろいろなレースでお目に掛かっているし、サインももらったことあるし、一緒に写真を撮ったことも一度や二度じゃない(三度だ)。

でも今回のように、(勝手に)一緒に数キロを走ったのは初めてのことで、有名人などにはそんなに興味のない僕でも今回はなんだか高揚感に包まれた。ただ高揚感とはいっても、「緊張」の類ではなく「興味津々」といった感じ。

鏑木さんの後ろを走りながら、ロード/トレイルそれぞれの走り方(ロードが普通に速い)、登りでの足の置き方やリズム、下りでの足さばきなど、一挙手一投足を興味津々、ガン見しながらしばし走らせてもらった(勝手に)。

そんなことをしながらシングルトレイルを進んでいると(シングルトレイルで前が詰まっていたので数キロの間後ろに付けていたというのが実態w)、ちょっと幅の広い林道に出るタイミングがあったのだが、僕はこのときに図々しくも鏑木さんの横に並び、「どうもです」と話しかけた(笑)

僕は鏑木さんに、とにかく「僕のトレラン人生はこのレースから始まったんです、ありがとうございます」ということを伝えたかったのだ。

で、見事ミスター鏑木の横の席をゲットした僕は、それをそのまま伝えた。

「実は僕、7年前の第1回に出てまして、それが僕の初めてのトレランレースだったんです。そこから今7年経つんですけど、もうトレランどハマり中なんです。このレースのお陰です。ほんとありがとうございます。」

って。

それに対して、返してくれた言葉が

「でしょ~。俺なんかもう25年やってるけど、ほんと全然飽きないもん。」

だった。

本音はもうちょっと僕のトレランヒストリーに寄り添った返答を期待していたのだけど笑、そこはまぁこちらの勝手な期待なので置いておくとして、でも逆にこの一言から僕が強烈に感じたのは、

「この人はほんとにトレランが好きなんだな」

ということだった。

言葉尻からだけではわからないかもしれない。25年間同じ趣味をやり続けている大人はたくさんいる。でもこの人のこれは本物だと感じた。なんの飾りもない言葉なんだけど、逆に"ありのまま"の言葉。多くは語らずシンプルに一言。

「でしょ~。ほんと全然飽きないもん。」

たぶん"本当に全然飽きない"んだと思う。

言い換えも何も必要なくて、ただただそれだけ。全然飽きない。どんだけやっても飽きないぐらいに好きすぎてたまんないんだよね、という感じがシンプルな言葉の中に溢れ出ていた。

一瞬とはいえトレイルを併走して走り、その言葉を直接聞いた人間にはわかる。

「ウー♪」

ミスター鏑木の名言シリーズ第2弾はこれ。

「ウー♪」

なんのこっちゃ。名言っていうか、これ言葉ちゃうやろ。でもね、「この人はほんとにトレランが好きなんだな」と感じた1つ目の言葉を裏付けるような場面に、僕はこの"言葉(音)"とともに今回何度か遭遇したのだ。なのでこちらも是非共有しておく。

まずもって、「ウー」なのか「フォー」なのか、音は正直どっちだかわからない。でも「♪」をつけている時点でポジティブな感情であることはお察しいただけるだろう。

ミスター鏑木とは、本来僕なんかが張り合えるわけはないのだけど、この日は、彼にとってはゲストランナーとはいえ大きなプレッシャーもなく心からトレランを楽しめる日だったのだろう。

途中こんな場面に出くわしたりした(笑)

珍しい地形のところで誰に言われるでもなく、一緒に撮ってくださいとファンにお願いされるわけでもなく、めちゃくちゃ笑顔で一人で自撮りする鏑木さん。お茶目。
真似して自分も自撮りする山猿さん。笑顔へたくそか。

一旦離されては、ちょくちょく立ち止まり写真を撮ったりと"寄り道"をしている鏑木さんにまた追い付いたりと、こんな感じで抜きつ抜かれつを繰り返していたのだけど、そんな折にちょくちょく聞いたのが、この「ウー♪」だ。

鏑木さんの名誉のために言っておくが、どこかしこで「ウー♪」と言っていたわけではもちろんない(それはただの変人だ)。

どんなタイミングでその"音"を発していたかというと、トレイルの途中途中にちょいちょい出てくるこんな瞬間。

うん、実にいい景色。

つまり、↑の写真のように眼前に素晴らしい景色がどーんと広がったときに「ウー♪」やら「フォー♪」やらを発声していたのだ。

それもここが大事なポイントなのだが、"いちいち" 発する(笑)

僕の経験則からいうと、だいたいこういう景色って一発目は「ウー♪」を発する人は多い。…のだけれど、2回目以降は、しかもそれがレースで且つそれなりに頑張って走らねばならない上位2割ぐらいになってくると、徐々に気持ちは「景色よりもレース」に傾倒していく。"いちいち"景色に感動している暇も余裕もなくなってくる。

でもこの人はとにかく"いちいち"反応するのだ。

ちょっとでも"抜けた景色"が出てくると、小さな声なのだけど「ウー♪」と必ず発する(僕は少なくとも3回は聞いた)。きっとその時の表情は"にやついている"はずだ。

何が言いたいかというと、この人はきっと、トレイルランニングにおけるなにもかもがすべて好きなんだ。

登りも好き、林道も好き、ガレた下りも好き、もちろんトレイルも好き、そしてふと目の間に広がる山からの景色も好き、空気も匂いも好き。苔も好き、虫も好き。なんでもかんでも好き。

少年か。Yes、永遠の少年だ。

きっと雨で景色が見えなくても、何かを見つけては「ウーウー♪」言っているに違いない。

僕も比較的「五感フル稼働」で山を楽しむタイプなので、深い呼吸をしたり、目を閉じたり、耳を澄ましたり、いろいろやるのだけど、この人のほうがたぶんレベル上。

で、何を思ったか。

素敵だな、と思った。

最高に格好いい大人だな、と思った。

だってもう50歳だよ??

このレースのアフターパーティーではミスター鏑木のトークショーがあり、そこでは企画「NEVER」の話から過去における「苦悩」の話までたくさんしてくれた。本で読むより本人の口から聞いたほうが当然リアリティがあるのだが、他人が思うほどキラキラしたことばかりではないということ。有名人は特に。

そんな"裏"の側面があることはわかりつつも、でもやっぱり、全身全霊で思いっ切り遊んでいる大人はキラキラ輝いていてめちゃくちゃ格好いい。

鏑木さんってかっけーな。ああいう大人になりたいな。って思う。改めて思った。(あなたもう大人でしょなんて言わせない)

渋いんだけど時折みるキラキラがたまらなく輝いている。あ、これ、いぶし銀ってやつか。

いつまでも少年のような心、「何に対しても好奇心旺盛にワクワクする心」を標準装備しならが、どこまでもいつまでも山を走っていきたい!と感じた、今回の僕のオーシャントレイルトリップ。

7年前、僕がトレランにのめり込んでいくきっかけとなったレースであり、今ここから、全身全霊で山を楽しむ大人を見てしまって、改めて深くのめり込んでいってしまうきっかけとなるレース。

原点に戻ってきたらまた新たなものを発見してしまった喜び。またしても思い出深いレースになってしまったようだ。我、幸せなり。

ということで参戦記①は一旦ここまで。

もはやおんじゅくオーシャントレイル参戦記というより、ミスター鏑木談義となってしまったが、どうしても今回の体験は是非ともシェアしておきたかった。

次のポストではちゃんと"大会を"振り返りたいと思います。