結論から申し上げます。
今回は誰もナナメにはなりませんでした!
え?なんのこと?って?
そりゃ“伝説の第1回大会”のことに決まってるでしょ。人生の中であんなに長時間、体がナナメになっていたことは今だかつてありません。
「西尾タイフーンマラソン」と名付けた当時の記録がこちら↓
・・・で、だ。
今回ナナメにはならなかったのですが、また一つ”伝説”が生まれました。
「にしおには、なにかが、ある。」
さて、レポ開始。
伝説が生まれた瞬間(動画あり)
いつものレースレポであれば、「どどん!」とまずは自分のレース結果を報告することから始めるのだが、もったいぶるのもアレなので、今回に限り「伝説が生まれた瞬間」からご報告しようと思う。
どどん!
レース前日に会場に向かう途中のシーンではない。そんなありふれた日常シーンを動画に収めるほど暇ではないし、電車オタクでもない。
これはレース中の動画だ。しかも、32km地点。
「30km以降の壁」と言われるように、マラソンにおいて32km地点というのは、その壁に対して改めて気持ちを入れ替え、奮起し、立ち向かう決意をする地点といっていい。
大多数の人が同じだと思うが、30km過ぎまでは「10km通過・・・20km通過・・・30km通過」と「積み上げ」で走行距離を認識していく。
が、32km地点というのは、いよいよフィニッシュまで「残り10km地点」。ここからは「あと10km・・・あと9km・・・あと8km・・・あと・・」と「カウントダウン」に切り替えるタイミングでもある。
つまり、先述の通り「奮起」のタイミングなのである。
もちろん事前に知っていた。コース内に「踏切」があることは。
いや、正直なところ「んなことあるん!?!?」と一瞬思ったが、あるもんはあるんだから、まぁあるんだろう。仕方ない。車の通行規制はできても、電車の規制はできないさ。そりゃわかる。マラソン興味ない人からしたら、車の通行規制ですら傍迷惑もいいところだ。
とりあえず、ポジティブが取り柄の僕の思考は「ま、でも自分が引っ掛かるはずなんてないさ〜♪」と何の根拠もない自信を携えてレースに臨んだ。
で、結果が冒頭の動画だ。
動画を再生しない人もいると思うので、テキストでご報告をしておくが、運命の結果はこちら。
停止時間マックスで引っ掛かりました。
以下、踏切手前20秒間の回顧録。
踏切手前数百メートル地点で、踏切の状況を知らせるMCがいて「あと20秒ほどで踏切が閉まります!」というアナウンスが聞こえた。
ただ、それを聞いたタイミングというのは、踏切手前にあったカーブにまだ到達しておらず、踏切が見えない状態。曲がった後に踏切までどれだけの距離があるのかがわからない。でも、人だかりがある雰囲気で”そんなに遠くはない”のはわかる。
ていうか、サイトに「踏切手前1kmに踏切閉鎖時間を示すタイマーあり」って書いてあったけど、全然ねぇじゃねーか!ww(見落としたのか?)
カーブを左折し、踏切との距離を認識。・・・まぁまぁ遠い!w
“踏切閉鎖”までは残り10秒を切っている。間に合うか間に合わないかでいったら正直”分が悪かった”が、最悪踏切が降り切る前の”すり抜け動作”もイメージしながら、(テンション的には)とりあえずダッシュを仕掛けた(当たり前だが、ここまでですでにまぁまぁ疲れている)。
踏切手前には沿道の応援がたくさんいて、僕の捨て身のダッシュに沸き立つ。(一応言っておくが、マラソンというものは32km地点で捨て身のダッシュを仕掛ける競技ではない)
ちなみにこのタイミングでここに突入してきたのは僕一人だけだったので、会場中の視線を独占していたのは間違いない。
間に合う!がんばれ!いける!間に合え!
・・・・・!!!!
捨て身のダッシュ虚しく、そして、観客(もはや”沿道の応援”ではなく”観客”と呼ばせていただく)の想い届かず。
この瞬間の観客から一斉に漏れた「悲鳴にも似たため息」を僕は一生忘れることはないだろう。
トリプルアクセル失敗…!鉄棒落下…!リレーのバトン繋がらず…!そして、踏切停止…!
いずれにも共通するのは、ここに至るまでの血と汗の滲むような努力や苦労とたくさんの想いが詰まっているということ…!(いや、なんか違う)
「チンチンチン」という、子供の頃から聞き慣れた音と共に、無情にも踏切は閉鎖された。
20秒の回顧録に840字を費やしました。
もうレースレポ、これで終わりでいいんじゃなかろうか、というぐらい熱量がこもってしまった。失敬失敬。
テンションを普通に戻す。
踏切が降りてからは、長かった。後続にも10数人追いつかれた。
動画の撮影時間は38秒だが、精神的なダメージと体感的なロスはいうまでもなくそれ以上。スピードダウンと再スタートを考えると、実質のロスも1分とかそこらか。
ちなみに、僕がなぜこんなに「この場面」を冒頭から暑苦しく語っているかというと、その理由は、次項で報告する「本来のどどん!(レース結果)」をお伝えすることで、理解していただけるはず。
結果報告:3時間1分42秒
ということで、長い前振りを終えたところでw、此度のレース結果をご報告します。
では改めて。(ゴホン。)
どどん!
にしおマラソン結果:【グロス】3時間1分42秒、【ネット】3時間1分28秒
どうよこれ。
多くは語らないが、皆さんの気持ちを代弁してw、一言だけ。
踏切なかったら、サブ3いけたんじゃね!?( ^ω^ )
僕はサブ3を一回やっているし(えっへん)、サブ3達成に人生懸けてるわけでもないので、この結果をめちゃくちゃシリアスに捉えているわけではないのだけど、
これ、いけたよね??ww
とは思っている、うん。
まぁ「いけたよね?」とかいいつつ、12月に怪我してスピ練積めずラスト5kmは”粘り”が効かなかったのと、踏切以降も今後のにしおマラソン名物になるであろう「激坂地獄」があったので、いけなかったかもしれないけど、
でもこれ、いけたよね??ww
ラップタイムはこちら。
レース後のインスタ投稿はこちら。
コースプロフィール
第2回にしおマラソンでは、前回の反省wを受け、大きくコース変更が行われた。
過去のコースレイアウトを知る意味はいまさらないが、興味として、第1回大会(右)と今大会(左)を比較掲載してみる。
コースレイアウトが大きく変更となったのは見ての通りだが、もう一点大きく変わったのは、周回方向。
前回は右回り、今回は左回り。
冬時期のレースは(冬なので)たいてい「北風」が吹く。つまり、ざっくり上から下に吹くわけだが、前回はその北風に真っ向勝負をするコース設計だった。しかも、見ての通り、海岸線と河川敷沿いがかなりの割合だったので、「人、皆、ナナメ也。」という結果に相成った。
そこで今回は「北風を利用すべし!」と逆回りになった、のだ(と思う)。
この変更は大正解。前半は見事に追い風だった。一部、北側に走る局面では向かい風となったが、第1回大会の「災害級の暴風への真っ向勝負」に比べれば、お茶の子さいさい、お子ちゃまホイホイ。(お子ちゃまホイホイってなんだ)
とにかく、コース変更の甲斐あり、「風問題」はだいぶ解消された。
でもま、その分、「踏切」と「激坂」が生まれましたけどね!!!
ちなみに、今年のコースはスタート&フィニッシュが別地点となっている。これも前回大会の反省によるもの。前回は完全にラウンドでコース内の市街地を囲ってしまったために、交通規制のため市内にどこからも入れない!という状況が発生してしまったらしい。これは確かに町民からしたら大迷惑。
地域が盛り上がるコンテンツとして、マラソン大会は大きく貢献するのは間違いないが、いろんな利害関係者がいるので、マラソン大会開催は本当に大変だ。
にしおマラソン 新名物「激坂祭り」
「踏切さん」に加え、今回から新たに”にしおの仲間”に加わったのが「激坂くん」だ。
踏切さんに負けず劣らず、なかなかのインパクトをもって僕たちランナーの前に立ちはだかったくれやがったので、こちらも個別に取り上げておこうと思う。
「激坂くん」のポジショニングはこちら。補足するまでもなく、圧倒的すぎる存在感なのでキャプチャにいちいち「激坂くんはこちらです」と追記するのはやめた。
「踏切さん」のすぐ後から「激坂くん」の”追い討ち”が始まったわけだが、なんていうか、
ほんと、やめてほしいww
「トレイルランナーの端くれ」という肩書きを持つ僕ですら、途中さすがに嫌になるレベルだったことをお伝えしておく。
距離約5kmほどの間で獲得標高はD+150mぐらいだろうか。
厳密にはわからないが仮にそうだとして、東京埼玉界隈のトレイルランナーが大好きな「オクム(奥武蔵)峠走」の過去ログから、山猿独自指標の「つら度(距離÷獲得標高)」で比較してみた。
そちらが以下。
■ オクム峠走その① : 距離25km(25,000m)÷獲得標高750m=「33.3」
■ オクム峠走その② : 距離30km (30,000m)÷獲得標高1,100m=「27,2」
■ にしおフルの峠走 : 距離5km(5,000m)÷獲得標高150m=「33.3」
なんてこったい。立派な峠走であることが証明されてしまったではないか。
オクム峠走をやったことがある人は、”あれ”がレース終盤にかけて5kmほど待ち構えていると思っていただいて、なんら問題はない。むしろ、リアルなシミュレーションができる時点で大きなアドバンテージだ。こぞって「にしおの峠」に挑んでいただきたい。
尚、「フルマラソン中に峠走なんていらねーよ!」と思ったそこのあなた。(ハイ、僕です)
こう考えてみてはどうだろう。(正確には「こう考えられないとやってられない」)
踏切もあって峠走もある。他のレースに比べ、明らかに困難は多い。
んが、しかし!
それらを乗り越えてのサブ3達成(別にサブ4でもいい。とにかく目標達成。)…!!
どうだ、これはなかなかカッコいいぞ。
僕は実際に走ったからわかる。実際に止まったからわかる。サブ3いけるかいけないかの当落線上ランナーが、このレースでサブ3を達成するカッコよさが。
ちなみにこれだけ煽っておいて申し訳ないが、僕はまったくもって、御免だw
そんなカッコ良さ、要らないw
フラットなコースで、ペーサーとサブ3集団に乗っかって、最後に自分だけ格好よく飛び出して、気持ちよくフィニッシュしたいw
ザ・温室育ちサブ3。全っ然それでいい。山猿なんてそんなもん。
でも世の中には、困難に挑戦し続け、そして最後には目標も達成していく「本当にカッコいい人間」がいることも知っている。あなたがあえてそれに挑戦するというのなら、僕は全力であなたを応援する。
【写真で振り返る】「にしおマラソン」ギャラリー
主に書きたいことは書き切ったので、あとは思い出たちをギャラリー展示しておく。
まとめ
いろいろと辛辣なw印象になった感じはあると思いますが、総じて振り返ると、いい大会でした。
いや、これお世辞抜きで本当に。
まずもって、第1回大会からのアップグレード感はヒシヒシと至るところで感じました。まだまだ試行錯誤してることも多いと思いますが、ほんとに「今後もずっと続く、良いマラソン大会にしていきたい!」という想いを感じたというか。
踏切やら激坂はあるけど、それに対してあーだこーだ言うのは、僕みたいにたいしてトレーニングもせずにギリギリの当落線上であわよくば的にタイムを狙っているような輩だけであって、大多数の参加者からしたら、それらはもはや「にしおマラソンのユニークな特徴」としてポジティブに捉えられるものだと思います。
それ以上に、エイドは特産品で充実していたし、ローカルレースならではの沿道の応援の温かさも心底感じたし(なんか途中おばあちゃんとかちびっ子の一生懸命な応援に泣きそうになった)、2回目にして、とても良い大会になったな、と感じました。
一番大事ですよね、主催者の気持ち。それと、地元の人たちの受け入れる気持ち。
コースレイアウトなんてのは二の次です。
あ、そうだ。
今回の大会の満足度を大きく高めてくれた要因の一つに「MC」の存在があったことを最後に付け加えておきます。
レース前の盛り上げもテンション上げ上げで素敵だったのだけど、そのMCがフィニッシュ地点でランナーにかけ続けていた言葉が印象的でした。
その言葉で今回のレポート締めます。
大人はいくらでも言い訳できるんです!今日だって朝から雨だった!別に言い訳つくって参加しないっていう選択肢もできたはずなんです!でも、あなたたちはきた!そして、最後まで走り切った!本当にカッコいいぜ!だから、最後は拳突き上げて、フィニッシュしようぜ!みんな、超カッコいいよ!
レポ終わり。
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