レース終わってから3週間ほど経過。
そろそろ記憶が忘却の彼方に追いやられそうなので、さすがにぼちぼちレース振り返ります。
今回は一気にフィニッシュまでいきますよ!100kmお付き合いくださいませ!
▼第1弾レポでは下記あたりをまとめています。
- 結果
- コースプロフィール
- 試走ログ(stravaデータ)
- レースプラン・実績
- 準備・補給
FTR100 回顧録
回顧録は口調を変えて。
前日
ウルトラトレイルは「いろいろと一筋縄ではいかないもの」なのだけど、こんなに序盤の序盤でズッコケルとは思ってなかった。
なにかというと、前日受付では装備チェック(一部の必携品チェック)があるのだが、危うくこの「0次関門」を突破し損ねた。
以下の通り、装備品チェック関門では、命を守るためのまさに「必携品」をチェックされるのだが、あろうことか「予備ライト」を忘れたのだ。
一つ目のライトの点灯チェックをして、予備バッテリーも見せたあと、
「はい、(1つ目のライト)OKです。じゃあ、予備ライト見せてください。」
「え?………あ。」
みたいなw
で、スタッフに「あ、えっと〜…メインの予備バッテリーはあるんですけども〜…ダメ〜…ですよね〜。ははは〜」と、何のロジックも通っていないわずかな抵抗をしてみていると、同じタイミングで必携品チェックに入ってきた相方が「イーライトあるけど」と。(なんと相方がライト3つ持ってた)
マジ、神、降臨!!
と、心の中で大々的に相方を崇拝してそれを受け取り、
「予備ライトこれで!(ドヤ顔)」
と自信満々にスイッチオンにしたら……
点かないやんけ〜(ToT)
まさかの電池切れ!!泣 神に弄ばれた!!悲
ダメもとで会場内の出店ブース(唯一可能性ありそうなさかいやスポーツさん)で「豆電池とかって置いてないですよね?」と一応聞いてみるが、まぁあるわけもなく、仕方なく近くのコンビニまで調達に。
幸い一番近くのコンビニで豆電池はGETできて、その後無事に0次関門は突破したのだけど、これ、超ローカルなレースで近くにコンビニなんてなくてギア売ってるような出店ブースなんかもなかったら、けっこう”詰み案件”だった可能性ある。
ちなみに皆さまご存知の通り、僕はもうトレイルランナー初心者ではない。予備ライトの重要性なんてめちゃくちゃよくわかっている。ほんと気をつけねば。
ということで出足からまぁまぁつまづいたが、なんとか受付完了。
ちなみにイーライトはエマージェンシー用の超軽量・超コンパクトなヘッドライト。これでナイトランがしがし走るのは厳しいけど、保険として一つ持っておくと安心は安心。
受付後は今晩のご飯と宿へ。
といっても今回は車中泊のため、車中泊用に設けられた駐車場(だだっ広い広場)の至近にあったヤオコーで晩飯を調達。
ヤオコーにはイートインスペースがあったのでそこで食べようと思って、レンチンした熱々の弁当を開けて、さぁ食うか、というタイミングで、イートインスペースにいたおっちゃん(一般人)がトコトコ近づいてきて、
「ここ20時までだよ。すぐ椅子をテーブルに上げられちゃうのよね。」
とな。
さっきレンチンで「チーン」と鳴ったのは、もしかしてこれを見透かしての「チーン」だったんじゃないか。
ち、ヤオコーめ。なんだか今日はうまくいかないぜ。
ということで、車に戻っての晩餐。
パスタ、肉団子、サラダ×2、牛乳、コーヒーゼリー。レース前日は豪華である。
ちなみに前日唯一良かった出来事は、車の座席がいい具合にフルフラットっぽくできて、しっかり足を伸ばして寝られたこと(写真右)。
ウルトラトレイルランナーの強み(というか僕の強み)は、どんなにネガティブな状況にあろうとも、小さな喜びから幸福を感じ取り、それを勝手に増幅させてポジティブになれちゃうそのメンタリティーにある。(単純に「アホ」ともいう。)
さて、明日は頑張ろう。おやすみなさい。
Start:羊山公園
翌朝は4時半起床。車内で朝メシを済ませ、5時半頃に駐車場出発。
スタート会場まではシャトルバスで移動。昨晩からの濃霧がまだ収まっておらず、朝も霧でモヤモヤ。幸い雨は降っていなかったので、なんていうか単純に幻想的。
朝の気温は3-4℃だったのでさすがに肌寒さはあったが、底冷えするような凍えは感じない。
寒がりの人はブルブル震えていたので、どうやらぬる〜く見せかけておいて、僕の深部体温は熱々だった?らしい。アツアツハート猿。近づくと火傷しちゃうよ。
というわけで、トレラン特有の緩い雰囲気のままあっという間にスタート直前に。
3週間前に河津トライアスロンに出たのだけど、さすがにトラ(しかもショート)のスタート前は”いい緊張感”がみんなに走っていた。それに比べて、トレランってほんとに緊張感がない。笑っちゃうほど皆無。
そんな雰囲気のままぬるっと7:00にスタート。
さて、何時間で帰ってこれるかな〜。一応目標は「20〜25時間の間」!w
ちなみに今回は相方とは別々に単独走だったが、この時点ではまさか”接戦”になるなんて思ってなくて余裕ぶっこいてました、はいw
スタート後、羊山公園をぐるっと一周してから、いよいよ長い山旅の始まり。
羊山公園を出て秩父の街に出る。早朝の秩父は霧で覆われ、幻想的な景色。思わず写真に収める。天気はご覧の通り快晴。
スタート直後から相方には別れを告げ(一応お互いの健闘を誓い)、せっせと先行。
いざ勝負!みたいなメラメラしたものはまったくなかったけど、さすがに負けるわけにはいかないのである。
100kmレースで負けるようなことがあれば、「なんだかんだで体力あってスピードもあって運動能力全般的に高い旦那素敵!(←すべて自称且つ素敵と思われている節は1ミリもない)」という、かろうじて保たれている家庭内ヒエラルキーは、いよいよ崩壊へと突き進むことになる。
なのでひそかに「相方には負けない」と胸に小さく刻み、まずはA1エイドを目指す。
A1:国際釣場(公表12km/実測13.5km)【8:35in→8:50out】
A1には8:35に到着。計画よりだいぶ早い。
ていうか、ここまでの距離が全然12kmじゃなくて焦る。(実測13.5km。他のランナーも皆同じく。)
ここまでで1.5kmズレてたら、これ最後どうなっちゃうの?どっかで帳尻合うのかな?(と思ってたら、やっぱり最終的にも5km長かった)
ちなみに今回もトイレマネジメントには失敗。早々にA1でトイレタイムを設けることになったのだが、仮設トイレが2基しかない(ガーン)。A1ではまだ選手もばらけないので、トイレは大行列。
行列に5分程並んでいたら相方が到着。一言二言交わしたと思ったらあっちょゆー間に相方エイドアウト。
遅々として進まない列に”トイレ諦める説”も一瞬頭をよぎったが、まだ序盤なのと、”お腹事情”はレースの成否に直結するので”トイレ優先”の決断を下す。
結果、A1は15分の長期滞在。
エイドワーク業界では15分以上の滞在のことを「バカンス」と呼ぶ(いや、いま勝手に僕がつけた)。ロングトレイルにおける「バカンス」は心地良い反面、”やる気を見失う”というリスクがあるので注意が必要。
いずれにしろ、さすがにこれは想定外のロスだ。先を急ごう。(序盤のエイドは、混雑を想定して仮設トイレの設置数増加を求ム。)
ちなみにエイドはご覧の通り豪華豪華。これぞFTR。もちろん全部は食べれないが、選択肢があるというのは幸せなことだ。ありがたや。
A2正丸までは10kmちょっと。
ここは試走した区間なので特に問題はない。というか、試走したとはいえ僕の脳みそのスペックでは、鮮明に記憶されていることもたいしてなく、新鮮な気持ちで突き進む。
A2:正丸駅(公表23km/実測24km)【10:43in→10:49out】
A2には10:43に到着。
A2に着くまでに相方はパスしてきたのだが、A2にてまた抜かれるw
相方はとにかくエイドが短い。ちなみにだが、僕もこのエイドの滞在はゆうても5-6分だ。A1ではバカンスを取ってしまったが、それ以外のエイドは特に長いわけではない。
もっと休めし。慌てんなし。
まぁまだ先は長い。マイペースでいこう。ちなみに体調はまったく悪くない。天気も良くて最高な気分だ。
A2も豪華なエイド。毎エイドなにかしら”あたたかいもの”があるのはとても嬉しい。文字通り身も心もホッとする。コンソメスープをおいしくいただく。それと確かミニシュークリームを6個ぐらい食べたw(甘党です)
A2正丸を出るとまずは数キロのロードからスタート。
日差しもあり、徐々に体温が上がってくる。この時期にしては暑い。そして、トレイルインして山登り開始。登りになるとさらに暑くなり、汗をかいてくる。シェルを着ていたが、細かな脱ぎ着による体温調節は大事!と登りの途中でシェルを脱ぐ。
そこで事件は起きた。
シェルを脱いだら、ウェアの表裏逆に着てたことが発覚!
無地デザインだったので気付かなかったぜ。
アースカラーのウェアとのハイコントラストもあって、真っ白な商品タグがピロピロとめちゃ主張してくる。ていうか、まだ新しめのウェアだったこともあり、タグの活きがめちゃめちゃイイ。
皆さまへの報告用にストーリーズしたあとは、さすがにタグピロピロがうるさいので(正直無地Tなので表裏の違いは言われなければよくわからないのだが)、おもむろに脱ぎ出しミレーのアミアミインナーをさらけ出し、タグ様には正規の位置(服の内側)に戻っていただいた。
途中、オールスポーツのカメラマン発見!
実は僕、前職が1年半程だがオールスポーツを運営している会社にいたので、トレイルの大会で撮影に入っているカメラマンとは顔馴染みな方も多い。なのでレースに出てカメラマンさんと再会できるのも密かな楽しみだったりする。今回も楽しそうな写真ありがとうございます(すっぱそうな顔してるけどw)
そんなこんなで、シャツ事件を乗り越え、相変わらず何かちょっと抜けている自分を恨めしく思いながらも、オクムランナーお馴染みの「子の権現 仁王像」に、この先まだまだ長い旅路の安全を祈願。まもなくA3エイド。
尚、この区間では相方には追いつけず。
A3:子ノ権現(公表28km/実測30km)【11:45in→11:50out】
先ほどの仁王像を抜けた直後にA3エイド。
距離は公表値と相変わらずずれているが、もはやこれがデフォルトなのだろうと、もう特に気にしない。ウルトラトレイルランナーたるもの、目の前に起こる事象は”不測の事態”を含めすべて受け入れながら突き進むのみ。
子の権現エイドでは相方の姿見当たらず。
正丸から子の権現は5kmしかなく、さすがに追いつけなかったか。別に競っている気持ちはさらさらないのだが、やはり先行されている状況は精神衛生上よろしくはない。
クリームシチューをおいしくいただき、5分程度でエイドout。
A4:名栗河川広場(公表35km/実測36km)【12:45in→12:50out】
エイドinしたタイミングで相方を一瞬見かける。
「よぉ、調子どう?元気?」ぐらい話し掛けようかと思って、自分のエイドワークを済ませつつ、ちょっと声掛けにいこうかと思ったらまたもや速攻でいなくなるw(絶対視野の中に俺のこと入ったと思うんだけどw)
5分程度滞在しエイドout。
これ僕にとっては十分に”ショートステイ”なのだが、レース後の相方のレポをみるに、相方のエイド滞在時間は短いところだと「2分程度」っぽい。ひー。
ほんとさ、もっとゆっくり休めばいいのに。
まだまだ挽回できるでしょうとタカを括っていたので、あくまでこちらはマイペースで。先に行かれたとはいってもエイドで見たし、さすがに追いつけるかなー、と相変わらず焦りなし。
トレランはテイキットイージーだぜ!w
ちなみにここでは僕の大好きなみかんが!!ここぞとばかりにみかん4個分(半分サイズだったので下記写真のみかんを8個分)ぐらいを胃袋に治める。うまし。
名栗を出たあとはレース中盤の一つの大きな山、「ゴンジリ峠超え」。
「これぞ奥武蔵」ともいえる根っこだらけの登り↓で相方を捉える。(前方右側の白いウェアが相方)
よくぞここまで頑張ったな。あとはゴールで待ってるぜ。あばよ。と、心の中でつぶやき相方をここでパス。
その後、A5ゆのたまでは覚醒。
なぜ覚醒したかというと、たまたまザックに手を伸ばして出てきた補給用のジェルがカフェイン入りのやつで、”後(のち)の反動”も深く考えずにカフェインを摂取したためと思われる。
二週間ぐらいカフェイン抜きしていたのも効いたのか、案の定めちゃくちゃ覚醒してしまって、集中力全開で「シン・山猿」と化す。
お陰様で、A5ゆのた到着時、相方との差は20分に引き離していた。
この区間だけ切り取ったら、ゴンジリ峠までの登りもガシガシ登り、その後のトレイルもスピードに乗って駆け回り、トレイルランナーっぽくてなんかカッコいいけど、冷静に振り返ると、このタイミングで早計にカフェインを摂取するという「計画性のなさ・判断の甘さ」が、まぁなんともひどく滑稽だなと”反省猿”なわけであります。
A5:ゆのた(公表49km/実測51km)【15:35in→15:50out】
覚醒状態のままにゆのたにエイドin。
“本領発揮”しちゃったもんだから、ここまでに50人以上をパス!俺カッケーww
ゆのたはレースのほぼ半分地点なのでドロップエイドだ。
本来なら着替えたりシューズを変えたり「リフレッシュ」をするエイドだが、100マイル経験者からすると、50km地点はあまりそういう感じのタイミングにあらず、あくまで通過点。(偉そうにすみません)
一応、ドロップバックとの中身の入れ替えやヘッドライトの準備などもあったため15分ほど滞在したが、相方に追いかけられている状況に気持ち的にソワソワしw、”見えざる敵”に追い立てられるようにしてエイドout。
さて、ここからはすぐに暗くなってくる。山に入ればもう真っ暗だ。夜パートの始まり。
ゆのたから子の権現までは登り区間。
ウルトラトレイルにおける僕の一番の敵は「眠気」。眠気さえこなければ、たぶん上位5%には入れると思うのだが(言い過ぎ。んな甘くない)、眠気というのは体の動きがどうしてもスローになる「登り区間」でよくくる。
さて、ここの登り区間はどうだろうか。ていうか、夜パート突入といっても、時間的にはまだ夕刻。ここで眠気がきていたら、もはやレース終了のお知らせなのだけど。
A6:子ノ権現(公表59km/実測61km)【17:55in→18:05out】
幸いにも子の権現までに眠気はやってこず、比較的元気なままに「2回目の子の権現」に到着。
子の権現までの区間も”覚醒”は続いていたのか、この区間でもおよそ30人をパス。記憶的にもたぶんほぼ誰にも抜かれていないと思う。「山猿、ここにあり」。
絶好調のまま「A6子の権現」に到着。
相方にはさらに差をつけ、その差「約40分」。勝負あり!(レース中は知る由もないが、レース後のタイムチャートより)
ちなみに、ここで振る舞われた牛丼はうますぎた。つゆだくで味が米にも玉ねぎにも染みてて、あったかくて、ほんと美味!こんなにうまい牛丼は始めて食べた。
極限状態にはないとはいえ、それなりに追い込んでいる体に「うまいメシ」は、なんかもうすべてに感謝したくなるようなインパクトがある。
名付けて、「生きててよかった牛丼」(ネーミングセンス)。
生きていることに感謝して牛丼を食べ終え、あまりにもおいしかったのでエイドのボラの方に「めちゃくちゃおいしかったです。」と感謝の言葉を伝え(人は体力が削られて心がむき出しになってくると素直になれるのだ)、10分程度でエイドout。
このあとA7までは「世にも奇妙な飯能アルプスゾーン」に突入。
この区間は高低図の通り「下り基調」なのだが、天覚山まではどう考えても「ひたすら登っている」ようにしか感じられない世にも奇妙な山域。
あえて僕はここで語尾に「w」はつけない。さすがの僕も途中、いつまで登んだよっ!また登りかよっっ!くだりどこだよっっっ!と発狂しそうになったから。
天覚山からは一気に下りに入り、ようやくちゃんと下ってる感はあったが、この下りは下りでなかなかにいやらしく、精神的にだいぶ削られた区間。
A7:長念寺(公表70km/実測73km)【20:22in→20:42out】
とはいえ、「A7長念寺」に至るまでにもそれなりに抜いたようで、A6/90位→A7/76位。この順位アップを見る限り、この時間帯もまだ眠気はきていなかった模様。(そして、山猿の快進撃はここまでで終わる)
エイドではお待ちかねの豚汁。牛丼もうまかったけど、豚汁もうまい。夜になってかなり冷え込んできていて、止まるとかなり寒かったので、熱々の豚汁で内臓を温める。
このエイド、20分も滞在してて「バカンス」しちゃってるのだが、これ、保険的にトイレに行っておこうと思って、5分ぐらいトイレ待ちしたため。
結局、5分ぐらい待ったけど運悪く全然進まず、待ち時間でみるみるうちに体が冷えてきてトイレよりもそっちのがやばいと思って、トイレ断念。体は冷えるわタイムロスするわで完全に判断ミス。
見事に体が冷えたので、シェルに加えてインサレーションも着込んでから、エイドout。この時期この時間帯のエイド出発直後は、ほんとに寒くてブルブルする。ただ体が硬直していると怪我しやすいので、なんとか体のこわばりをほぐしながら、体があたたまるのを待つ。
長念寺から先は、僕にとってはお馴染みのコース。
コースを事細かには覚えていないが、ユガテ、八徳、関八州見晴台、高山不動、その先も含めて、何度も聞いた名前が続くだけで安心感がある。
プライベート含め何度も通っている”勝手知ったる”エリアがレース終盤にあるのは、精神衛生上だいぶ心強い。(レース以外では、別にそんなにもう走りたくないけどw)
A8:高山(公表83km/実測87km)【0:00in→0:18out】
「A8高山不動」には真夜中0時にチェックイン。
距離の話(公表値と実測値のズレの話)をしばらくやめていたが、ここで再度取り上げておきたい。
もはやズレることがデフォルトなので気にしない、と豪語したが、人間とは勝手な生き物で、自分にとって都合が悪くなってくるとすぐさま手の平を返し文句を言い出すもの。
見てくれ、公表83kmに対して、実測は87km。
こちとら80kmも過ぎてさすがに疲れている。この状況下での「山での1km」の長いことはお主も知っておろう。登り区間なら1km15〜20分はかかるぞ?つまりだ、4kmの差というのは、時間に換算すると下手すりゃ1時間もの差になるんだぜ?83kmで着くとは到底思っていないが、87kmまで引き伸ばすことはないだろーよ。おいおいマジで頼むぜ。
以上、疲弊してきた山猿の心の声をお届けした。
エイドではおでんをGET。当然うまいのだが、夜中0時は極寒。ストーリーズでの投稿がこちら。
「寒い&若干眠い」。
これはまずい兆候だ。寒さは眠気を助長する。
ここまでは毎エイド、ストーリーズはムービーを撮っていたのだが、ここではもはやその余裕なく一枚だけ証拠写真を撮り、静止画をアップw
きっとこの時点で僕のできる精一杯だったのだろう。なんて健気な…!(誰も求めてない)
ここではおでんをGETするも、おでん一杯ごときではもはや体は温まらず、ここまで短パンで頑張ってきたが、ついに秘密兵器のタイツを投入。見た目はビギナー感があり”もさい”が、背に腹は変えられぬ。
高山不動から先も勝手知ったるエリア。トレイルもロードも何度も走ったところだ。
手元の時計ではすでに87km。仮に公表値より距離が長かろうが、「カウントダウン」に突入していることは間違いない。眠いは眠いが、ここでへたっては男がすたる!
と、意気込んでエイドoutしたはいいものの、結局、高山不動を出て少し登った「関八州見晴台」にてあっけなく力尽き、山頂付近にあったベンチで仮眠w
よわっ。ダサっ。ダメやん。かっこわる。ww
ゆのた前後で覚醒していた「無敵山猿」はどこへやら。
さっきまで寒さで凍えていたのに、寒いに決まっている関八州見晴台のベンチでこうも容易く寝れるとは、睡魔とはすごいものだ。どんなに寒くても眠すぎると人は眠るのだ。
…ってこれ、もう人が死ぬ直前のやつやん。
スコンと”落ちた”あと、何分寝たのかわからないが(自分では数分と思っている)、「サブっ!(ブルっ!)」となってなんとか目覚めw、関八州から先を急ぐ。
この後もカフェイン入りジェルを投入して覚醒を待ったが、一度眠気がきてしまうとカフェイン数十ミリレベルではすぐには太刀打ちできないことを経験上知っている。
再度どうしても眠くなり、大野峠のベンチにて再び仮眠zzz
フラフラゾンビのように歩くより、割り切って眠気を取ろう!作戦。(作戦もくそもなし)
ここでも何分寝てたのか知らないが、シンデレラのごとくなんとかこの世に目覚め(何かニュアンス違う)、FTR100のコース最高峰である丸山まで登り始める。
大野峠から丸山に向け登り始めると、すぐにパラグライダーの発着場(つまり開けた場所)があるのだが、ここの夜景が綺麗すぎて、ヘッデンを消して、一人静かに、数分の間黄昏た(リアルに数分はぼぉーっとしてた。せっかく深い眠りから覚めたのにまたタイムロスw)。
でも、この夜景をみて頭がスッキリしたのか、厳しい眠気は、このあたりで峠を越えた気はする(あくまで「今思うと」の話)。
A9:県民の森(公表93km/実測98km)【2:55in→3:05out】
フワフワと夢の世界を行き来しながら、順位も順当に落としながらw、なんとか最終エイド「A9県民の森」に到着。
ここで本レース最大の事件が起きる。
上の順位推移を見ると、この間に抜かれたのは6人ということになるが、ここに含まれていない人物にエイド入口の計測地点通過直後に抜かれたのだ。
衝撃の動画がこちら。
目を疑う、とはまさにこのこと。
眠気も多少取れ、”正気”に戻っていたので、この最終エイドはムービーにてストーリーズ報告をあげようと撮影をしていたら、横をスタスタと誰かが追い抜いた。
この動画の直前に後ろからの人の気配に振り向き、「え・・・!?」と、一瞬時が止まったのだが、動画の通り、ここでは会話を交わすことなく、呑気に動画を撮影する僕の横を颯爽と通り過ぎていく相方。
ストーリーズ撮影を急遽中止し、エイドのテントに入り、お互いに一応目を合わせ「え、なんでここにあんたがいんの?」とお互いにこの状況を認識&混乱(混乱の度合いは間違いなく僕の勝ち)。
もちろんその後ストーリーズを投稿する暇などなくw、こちらも急いでエイドワークに突入。
まさかの相方に追いつかれた…!しかもこのタイミングで…!僕は滅多なことで慌てることはないのだが、さすがにこれには焦った。ガラガラと音を立てて崩れていく家庭内ヒエラルキーの画が、鮮明に脳裏に浮かぶ。
テント内で一応「速くね?」と声を掛けると、
「見くびり過ぎやろ。」
と一言だけ返されw、それにて会話は終了。
終了というか、僕が「眠くて関八州と大野峠で寝てた。」と一方的に報告を入れ、それには特にリアクションもなしに、ここにきて最速なんじゃないかと思われるエイドワークで5分も経たずに相方エイドout。
僕はというと…
一瞬混乱はしたが、ここからフィニッシュまでは”長いくだり”と”ロード”で「勝算」はあったので、慌てず焦らず。
と、ここで序盤から中盤手前にかけて抜きつ抜かれつしていたミホ氏がエイドinしてきた。
ミホ氏はミホ氏で、トライアスロンロング完走、サブ3、トレイルのミドルレースでは表彰台常連、というこちらもつよつよ女子。見るからにまだ元気だし、相方に負けじとエイドワークが早い(僕が遅いだけなのか)。今回が初の100kmウルトラトレイルらしいが、もはやそれは嘘だろう(いや、一応ほんとだと思う)。
女子二人に颯爽とエイドで抜かれていく状況に、さすがに”漢・山猿”も奮起しw、エイドを出たミホ氏をまずは追いかける。
ミホ氏は応援団が”サポート(談話)”という形で歩きながら食い止めてくれていたのでwすぐに追いつき、その流れのまま「一緒にいきますか」という展開に。
くだりの途中で相方は無事にパス。さすがにもう追いつかれることはないだろう。ふー。
つよつよ女子①(相方)をパスはしたが、つよつよ女子②(ミホ氏)はさらに強い。この後ゴールまでご一緒させていただいたが、長いテクニカルなくだりも余裕でついてくるし、ロードに出るとさらに力強い。
途中、「トイレ寄るんで先行っててください!頑張ってください!」と言われ、はいー、と別れるが、しばらくトコトコ走っていると、「おー小倉さん!」となんだかあっという間に追いつかれるw
つ、つえー…
結局ゴール直前までご一緒させていただきました。
Fin:羊山公園(公表105km/実測110km)
終盤に待っていた「まさかの展開」にヒヤヒヤしながらも、「21時間53分」にて無事にフィニッシュ。
この写真のわずか9分後、22時間2分にて相方もフィニッシュ。100km走って、ラスト9分差て。
相方は女子総合10位入賞。お見事。
↓は相方フィニッシュの様子。元気だわ。
【まとめ】思ってもみなかった「リアル版うさぎと亀」
今回のレースの総括としては、もうこれ以外ないです。
「リアル版うさぎと亀」
別に説明不要だと思いますが、うさぎが”猿”で、亀が”もはや亀ではないうさぎ”です。余計わけわからなくなったw
最後だけ、「結局うさぎが勝利する」という結末ではあったものの、元々の走力やそもそもの性差を考えると、「うさぎ」は負けたも同然でしょう。
序盤余裕こいて、途中で眠くなって(実際寝て)終盤も終盤で見事に追いつかれるとか、我ながら忠実に「うさぎと亀」を再現していると思いますww
ここまでがめちゃ長いので、特段のまとめはもはやありませんが、総括すると、
あー、「ww」で済ませられてよかった!!
これにてFTR100のレポ終わり。ここまで読んでくれたあなたはえらい!w
▼レポ①はこちら
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