今月に入って、ようやくトレランを再開した。実に3ヶ月振りの山。
トレラン再開一発目の6月初めの週末は雨予報も出ていたので、正直前夜まではあまり気乗りしていなかったのだけど、いざ行ってきたらまぁそれはそれは楽しかった。控えめにいって「最高」だったので、控えめに言わないとなると「最&高!」だろうか。
やっぱり山っていいな
と思ったお山復帰となった。
今回はトレランのスタート地点に向かうバスの中で耳に入ってきた「とある会話」を聞いて感じた、トレランに対する気持ちの再確認みたいな話。
トレランLOVER’sの人からしたら”今さら感”のある内容なので、どちらかというとトレランやってみたい人、やったことない人なんかに読んでほしい(伝えたい)内容かも。
とある”マイラー”と思われる2人の会話
お山復帰戦に選んだコースはスタート地点が最寄りの駅から遠かったのでバスに乗ったのだけど、その車中で後方に座っていた二人の男性の会話がなんとなく耳に入ってきた。
その会話の内容に対して沸々と湧き出てくる感情があったので、バスに揺られながらその感情を忘れないようにスマホに急いでメモした。今回はそのメモの共有。
ちなみにこの男性二人もトレランをしにきていた二人組で、且つ、会話の内容を聞くとかなり”変態の域”に達しているお方たち。
早速だけど、聞こえてきたのはこんな会話。
A:「最近どうです?トレーニングできてます?」
B:「うーん、一時期はトレーニング頑張ってたけど、一回やらなくなっちゃうともうダメだね。マイルを完走しちゃってからはなんかもう目標も達成したし、いいやってなっちゃって。なんか満足しちゃってさー。」
A:「ですよねー。。」
とな。
「マイル」というのは、「100マイルレース」のこと。約160㎞超を走るトレランレースのことだ。要するにこの二人は、いわゆるマイラー(=100マイルレースの完走者)。
間違いなくトレランばかフリークであり、トレランが大好きでハマってしまった人間である。
そんな二人から聞こえてきた会話がこの会話だった。
なんのことはないこれってけっこうよく聞く会話っちゃそうなんだけど、これを聞いて主に2つのことを思った。
ひとつは、「何のためにやるのかって大事だな」ということ。もうひとつは、これからトレランを始めたいと思っている人に対して「トレランの奥深さ」をしっかりと伝えたいな、ということ。
ちたみに、なんだかんだこの二人の男性もこんな話はしてるけど、性懲りもなくまたトレランに来てるわけで、いまでもトレランは大好きなんだろうけど。だからこの2人を否定したいという話ではないので悪しからず。
あなたがトレイルランニングに求めているものは何か?
突然だけど、あなたがトレイルランニングに求めているものってなんですか?
この二人の男性でいうと、おそらく「100マイルレースを完走したい!」という目標を立ててずっとトレランに打ち込んできたんだと思う。そして見事完走、マイラーの称号を得た。本当に素晴らしいと思う。
でもそこで、一旦モチベーション「プッツン」というわけだ。
「100マイルレースを完走する」という目標は、普通の人からしたらなかなかな目標だし、一朝一夕で達成できるものではない。継続的な努力に加えて、いざレース当日は、すべてをポジティブに変換する楽観力や、当然ながら忍耐やド根性も必要。
なのでそれを達成したこと自体は本当に素晴らしいし、過程も含めて何事にも代えがたい経験と価値をもたらしたに違いない。100マイルレースのために注いだエネルギーの大きさからすると、その後しばらくは腑抜けの殻になるのもある意味仕方ないとも思う。
でも、ここは自信をもっていうけど、トレランの魅力って間違いなく”それ(100マイルレース完走)”だけじゃないんだよな。
僕はまだ100マイルレースを完走していないのでこんなこと言う資格もないんだけど、100マイルレースを完走したとしても間違いなくトレランは続けるだろうし、さらにさらにハマっていく自信がある。たぶんもう一生山走ってると思う。
『山猿の半分は、山でできています。』(妙にしっくりくる)
じゃあ、テメー(あ、僕のことですよ)は「トレイルランニングに何を求めているのよ?」ってところなんだけど、これは書き出すと延々と語った挙句、「まぁまぁとりあえず一緒に山行きましょ!行けばわかるから!」という強引な着地になってしまいそうなので詳しくは割愛(笑)
でもあえて一言だけいうと、
「自由」
かなーという感じがしている。僕はトレランに「自由」を求めている。
「求めているもの=自由」なんて書くと、なんだか「お前はどんだけ普段縛られてんだよ」と誤解されそうだけど笑、この自由っていうのは「トレイルランニングに求めているもの」というより「トレイルランニングが与えてくれるもの」と置き換えたほうがより適切かもしれない。
そう、トレイルランニングが与えてくれるものは、「自由」なのだ。
(なんかもっといい言葉が絶対あるはずなんだけど、今の僕の語彙力だとこんなありふれた言葉に落ち着いてしまうのが悔しいw)
トレランの楽しみ方は無限大
「バスでの会話」の話とは別なんだけど、先日とある方(この方もトレランにハマってしまった方)との会話の中で、「トレランのいいところってなんなんですかね」っていう話になったことがあった。
で、その方の回答は、
「楽しみ方が無限にあるところ」
だった。
「そうそう!そうなんですよね!トレランの楽しみ方って楽しみ方が無限にあるところなんですよね!」
と、インコの如く復唱するしかないくらい、強く共感した。
で、共感すると同時に思ったのは、「このことをちゃんと伝えていきたいな」ということ。特にこれからトレランを好きになってくれようとしている人たちに対して。
トレランをやったことない人に「トレランやってます」っていうと、だいたい「え?山走るんですよね?絶対つらいですよね。」という反応なんだけど、
「いや、まぁね、それはそうなんだけどね。いや、でも、違うんだよ。」
ということをしっかりと伝えていきたいのだ。トレランをそんなちっぽけな先入観の枠に収めないでくれ(笑)
これはトレランの「真の楽しさ」に気付いてしまった者の使命なのである。
トレランは「遊び」。遊びだから「自由」。
「自由」や「楽しみ方は無限大」というそれらの根底にあるのは、例えばわかりやすくレースでいうと、「タイム至上主義ではない」というトレラン独特の文化にあると思う。
つまり、言い換えると「自由」ってことだ。
レースという枠組みでいっても、タイムを目指してストイックもOK、タイム目指さずにのんびりもOK(もちろん関門はあるけど笑)、走ってもOK、歩いてもOK、レースの途中でドボンしたってOKだ。
レースという枠組みを外したら、それこそ楽しみ方は無限大。最低限の山のルールと自分の身を守る装備、人や自然への配慮と優しさ、それと自然と向き合う敬意と心構えさえあれば、あとは基本なんでもOK。
トレランはすべてを受け入れてくれる。
要は、「遊び」なんだよね、トレランって。
だから、これからトレランやる人には是非「トレランってそういうもんなんだ」と思って入ってきてもらいたいと思います。
たまたま初めて山に連れていってくれた人がめちゃくちゃストイックで、登りもひたすら走るような鬼軍曹だったとしても安心してほしい。そういう人はトレラン人口の上位3割程度だ。あとはだいたいみんな、登りは歩いてる(笑)
あ、でも矛盾するようだけど、「目的は人それぞれ」っていうのも真理だ。だから、「俺は100マイルを完走するためにトレランやるのだ!」でも全然いいと思う。
僕が伝えたいのは、「トレランの楽しみ方ってたくさんあるよー」ということ。
では自分は「何のために」トレランやってるんだろう
で、自分の話。僕はじゃあ、何のためにトレランをやってるんだろう。
100マイルは一つの目標ではあるけど、それをクリアしたらぽっかり心に穴が開くのだろうか。そもそも僕がトレランに求めてるものはなんなんだろう。
今回のコロナで、山に行けない期間が3ヶ月近くあり、さらに今年のエントリーレースもいまのところすべて全滅。でも僕は今月すでに3回山に行っている。雨に降られたときもあれば、蒸し暑くておもらしレベルにウェアがびちょびちょになったときもある。でもやっぱりどのときもトレラン(広義には「山」)は最高だった。
この「最高」という感情や感覚を噛み砕いていったものが、きっと僕がトレランや山に本能的に求めていることに違いない。
まぁ急いで言葉にまとめる必要もないと思っているので、いい感じの言葉が湧き出てきたときにでも、また皆さんにシェアしたいと思う。
とにもかくにも、今は「トレランってやっぱり最高だな!」を感じることができる千載一遇のチャンスだと思っている。レースがなくなって山に行く機会がなくなっている人、最近トレランに興味を持って初めてトレランレースにエントリーしていたのに!という人、是非一緒に山に遊びに行こう。森の中で深呼吸しよう。下山したあとに温泉に入ってビールで乾杯しよう(あ、僕はハイボールで笑)。
なんか最近思うのは、皆さんも薄々気づいちゃってると思うけど、
大切にしたい感情ってすごく少なくてシンプル
だってこと。とりあえずそれだけでも大切にしていれば、心は豊かになるきっと。
今年の山遊びの選択肢に「レース」というものはほぼなくなると思う。それはそれで寂しさはあるけど、逆に、何にもとらわれずに「自由」に山を楽しめる。そうする他ないし。
改めて山にいけるようになってきた今、山に入ったときに感じる「感情」や「感覚」を大切に、これからもずっと山を楽しんでいきたいと思います。
ということで、みんな!いずれ100マイルレース完走してもトレランやめないで!笑
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