前回の作戦会議に引き続き、第2回目です。
初回の会議の議事録はこちら↓
今回の議題は「補給」です。
「補給」に関しては、前回の会議でも、「ドロップボックス地点でOS-1やカフェイン入りジェルを補給する」といったトピックを挙げましたが、これらは
”何を”補給するか
に言及したものでした。しかも”何を”の部分もほんの一部分のみについて。
今回は、何を補給するか以前の、もっと前段の話です。
つまり、
”どれだけ”補給するか(すればいいか)”
について。
そもそも118㎞を走り切るためにはどれだけのエネルギー量が必要なのか?
ということです。
どれだけ補給したらいいか
どれだけ補給したらいいか=完走するのに必要なエネルギー量はどれくらいか、です。
それを算出にあたり、直近のラン記録から参考になりそうなデータを引っ張ってきました。
ペースは、レースの目標平均ペースである「約6’30/㎞」。(実際は信号ロス/トイレロス/エイドロスを踏まえて、6’10~15ぐらいで走ることになると思いますが)コースも、家の周りの坂天国コースなので、富士五湖のアップダウンに近いでしょう(笑)6㎞とはいえなかなかのアップダウンコースです。
まぁ2点目はこじつけですが、とにかくここから予想消費カロリー量を算出します。
計算は至って単純。
上記データより、ざっくり「40分で300kcal」消費しているので「60分だと450kcal」の消費量になります。(※「行動時間」を基準に算出)また、前回の記事で書いたとおり、平均6’30/kmペースだとフィニッシュ予想は12時間47分なので、ざっくり13時間とします。
つまり、
13時間×450kcal=5,850kcal
ハイ、でました。
予想消費カロリー量(=必要エネルギー量)は、「5,850kcal」です。
もはや簡単すぎてこんなに丁寧に説明するまでもないですね^^;
でもここからが計算のミソです。
なにも「5,850kcal」をすべて補給する必要はありません。
以前受けたベスパ齋藤氏の「ロングレースの食学」がいまだに本当に役に立つなぁ(しみじみ)。
必要エネルギー量から「2つの値」を引く
必要エネルギー量がわかったら、そこから下記の「2つの値」を引いていきます。
①筋肉中に貯蔵できる体内エネルギー量
②脂肪エネルギーでまかなえるエネルギー量
①筋肉中に貯蔵できる体内エネルギー量「1,500kcal」
カーボローディングで、レースまでに筋肉に貯蔵できる体内エネルギー量は「1,500kcal」と言われています。それをまず引きます。 ※厳密には血液中に貯蔵されるエネルギー(=血糖)が、別に500kcalあるので、体内への最大エネルギー貯蔵量は2,000kcalになります。
つまり、
5,850kcal-1,500kcal=4,350kcal
ハイ、でました。
筋肉内の貯蔵分を差し引くと、必要補給量は「4,350kcal」となります。
②脂肪エネルギーでまかなえるエネルギー量を引く
まだ終わりませんよ。
さらに、このうちの何割か(ベスパ齋藤氏いわく、ゆっくりペースのロングレースにおいては「3割」は脂肪エネルギーによってまかなえるそうです)は脂肪エネルギーでまかなうことを想定して、さらにそれを引きます。
つまり、
4,350kcal×0.7=3,045kcal
ハイ、でました。
最終的に、レース中に補給すべきエネルギー量は、3,045kcal ≒「約3,000kcal」となります。
※別の話ですが、この、「脂肪エネルギーでまかなえる割合」が増えれば増えるほど、長い距離をラクに走れるようになります。そのポイントは、”血液中のミトコンドリア”を増やすこと、”毛細血管”を増やすこと。この辺りは今回とテーマがずれるのでまた別途。
「有酸素運動は脂肪燃焼効果が高い」というのはよく聞く話しですが、要は、6’30/kmというペースは「有酸素運動」になるので、脂肪エネルギーを使うことができるってことです。
どのタイミングでどれだけ補給するか
さて、必要エネルギー量がわかりました。「3,000kal」です。
では次に考えるのは、この「3,000kcaをどのタイミングでどれだけ補給するか」です。
今回、装備として、ザックは背負わずにnakedのランニングバンドのみでいくので、手持ちできる補給食は限られます。350mlのソフトフラスクとスマホも携行するので、スタート時の手持ちジェルは”念の為の1個”を含めて「4個」ぐらいでしょうか。(ドロップボックスポイントで都度補充します)
いずれにせよ、手持ちのジェルだけではエネルギー不足のため、補給は基本、エイドでの「給食」がメインになります。
全29か所のエイドのうち、給食が出るのは以下の16か所。
※( )内の数字は給食のあるエイド間の距離。
17.4㎞地点 おにぎり・味噌汁
(10.8㎞)
28.2㎞地点 菓子パン
(14.9㎞)
43.1㎞地点 惣菜パン
(4.7㎞)
47.8㎞地点 甲斐銘菓くろ玉
(3.8㎞)
51.6㎞地点 ミニトマト
(4.8㎞)
56.4㎞地点 よっちゃれば給食
(4.1㎞)
60.5㎞地点 ういろう
(2.5㎞)
63.0㎞地点 吉田のうどん
(4.4㎞)
67.4㎞地点 文明堂カステラ
(7.6㎞)
75.0㎞地点 菓子パン
(11.8㎞)
86.8㎞地点 菓子パン
(3.7㎞)
90.5㎞地点 おにぎり
(5.5㎞)
96.0㎞地点 吉田のうどん
(7.9㎞)
103.9㎞地点 よっちゃれば給食
(3.9㎞)
107.8㎞地点 キューピーおかゆ
(5.3㎞)
113.1㎞地点 惣菜パン
▼全エイド情報はこちら
先述のとおり、今回は基本、「エイドでの補給をメインとする」ので、給食の出る全16か所のエイド補給のみで3,000kcalをまかなうことを想定します。
となると、各エイドでの補給量は下記となります。
<各エイドごとの必要補給料>
3,000kcal÷16=「187.5kcal」
コンビニのおにぎり1つでだいたい170~200kcalぐらいなので、目安だいたいおにぎり1個分ぐらい。感覚的に、確かに妥当なところかなという感じ。あとは、固形物ばかりだと腹に溜まるので、何ヶ所かはジェルで代行するという感じでしょうか。(ジェルも1つでおよそ180~200kcal)
ちょっと補給のイメージがついてきました。
要は(わかってたけど)「少しずつでも食べ続けろ」ということ(笑)
ハンガーノックにだけは絶対になるな
2秒前に「(笑)」と文末につけましたが、撤回しますw
「(笑)」とかいってる場合でなく、ロングディスタンスレースで一番大事なことは間違いなく「食べ続けること」。
まだまだ100㎞超えのロングレースは1回しか経験がありませんが、これだけはおそらく間違いないでしょう。世にいる変ta…、否、尊敬すべき多くのロングレーサーの諸先輩方が口を揃えて言うことでしょう。
「とにかく食べ続けろ」
そのためには、疲労しても食べ続けられるだけの「強靭な内蔵」が必要になりますが(内蔵も疲れてくると消化液が出なくなります)、内蔵をいまから鍛えるのは非現実的…というかどうこうできるものではないので、他の切り口で考えます。
食べ続けるための対策としては、
・消化吸収のしやすいジェルを適宜補給する
・固形物は消化しやすいようにとにかくよく噛む
こんなところを意識することが大事なポイントになりそうです。
まとめ
いろいろと書いてきましたが、そろそろまとめます。
今回のレースの補給は、
・レース全体を通して「3,000kcal」を補給する
・各エイドで「約180kcal」を補給する
せっかくなので、「ミニトマト」エイドなどを除き笑、「しっかりとした給食」のあるエイドはすべて寄ろうと思います。時間は2~3分が目安。携行するジェルは保険的な位置づけで。
個人的には、
67.4㎞地点 文明堂カステラ
107.8㎞地点 キューピーおかゆ
が楽しみなのと、
56.4㎞地点 よっちゃれば給食
103.9㎞地点 よっちゃれば給食
が謎なのと、でエイドもいろいろ楽しみです(笑)
エイドが29ヶ所もあるというのはだいぶ嬉しいですよね。寄り過ぎないように注意しないと(笑)エイドでの時間も楽しみながら、ひとつひとつ駒を進めていきたいと思います。
ちなみに今回の記事では言及しませんでしたが、エネルギー補給以上に、塩分・ミネラル補給が大事なのは言うまでもなしです。OS-1、エイドでの梅干し・塩補給なども忘れずにいきたいと思います。
以上で作戦会議は終了。
あとはコンディションを整えて本番を待つのみ。
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