はい、レポート第5弾いきます。
以前は一記事で、レースレポート5000字とか書いてたんですが、書いてるこっちが気持ち悪くなるので今回は小出しにしております(笑)(読む人もこっちのほうがよいはず!…ですよね?)
で、
今回のタイトル、「レースとは山あり谷あり」ですが、物理的な山あり谷ありの話じゃありませんよ。
まぁ物理的には当然、憎いほどの楽しすぎる山あり谷ありがありますが、このタイトルの「山谷」とはもちろん「心身の状態」であったり「人間模様」であったり、といったことです。(・・・ん?人間模様⁉乞うご期待w)
では、レポート第5弾!
相方の膝終了のお知らせ
今回、レース直前まで相方は左膝に爆弾を抱えていました。ひと月程前から膝に違和感を感じ出し、レース前数週間は思うようにトレーニングもできず、その状況に焦り、落ち込み、いつも以上に会話のない日々…笑。
自他共に認める”亀さんランナー”が今年に入ってから謎の急成長を遂げて、”亀テポドン”となったのですが(名付け親は僕です)、つまり「速く走れるようになった」んですよね。
だいたいそういうときって、成長痛というか、体には今までにない負荷が気づかないうちに掛かっていて、それが蓄積されたりしているもので、今回の膝の痛みは、おそらくこの急成長が大元の原因なんではないかと個人的には思っていたりします。(本人の見解とは違う可能性あり)
で、レース1週間前の段階でぎりぎり回復の目途が立ち、よし、これならいけるかも、となったのですが、いかんせん129㎞で累積標高9200mなんて、万全のコンディションであっても100%あちこち痛み出すので、どこかのタイミングで必ず痛み出すだろうなとは思っていました。
それが、予想以上に早かった。(焦)
第1ボス「剣ヶ峰」を超えたA2(28.9㎞)地点ではすでに膝に違和感がでてきた様子…
そこから中ボスの「宝大樹スキー場ゲレンデバーティカル」を挟んで、第2ボス「武尊山」を退治しにいかないといけないわけですが、武尊山を通過している途中で「膝の痛みが消えちゃった!」 …みたいなことになるわけもなく。
案の定、膝の状態は徐々に悪化し、それに伴いメンタルも折れ始め…
「もう膝無理」「次のエイドでやめようかな」
ちーん・・・
表情にも言葉にも出しませんでしたが、内心の僕の動揺っぷりといったら!(笑)「え~!まだレースの半分も来てないのにー!泣」ってな感じ^^;
でも武尊の下りでの様子を見るに、明らかに左膝に力が入っておらずフォームも崩れていて、このままだと膝をさらに悪化させるのと、膝を庇うことによって他の箇所の負担も増してくるだろうなと思ったので、僕自身も気持ちの整理をし(たフリをして)、
「その状態で続けるのはよくないから、次のエイドでDNFしよう!」
と伝えました。
すると、無言の反応のあと、何度かすすり泣く声が。
あぁ…、悔しいよね、そりゃ悔しいよね、忙しい中あれだけ頑張ってたもんな。俺も悔しいけど、でも仕方ないさ。今年はまだOMMもFTR100もあるし、今回無理して、残りのレース全部棒に振る方が切ないよ。
と思いつつ、明らかに葛藤しているのがわかったので、最後は相方に判断を委ねようと、
「後悔のない決断をしてくれ。」
と再度伝えました。
またしてもリアクションはなし。無言。(このシーンに限らず、レース中の僕の問いかけに対しては基本スルーです笑)
あ、このくだり、別に夫婦間の仲睦まじい助け合いのシーンを伝えたいんじゃありませんからね。ロングレースとはこういうものだということです。いろいろ起こるんですよね、ほんとに。しかも二人で走ってるとなおさら。自分だけじゃないので、2倍いろいろ起こります^^;
ちなみに相方とのやり取りにはまだ続きがあります。
先程、「気持ちの整理をして」と書きましたが、しばらくしてくると、実は全然気持ちの整理がし切れていなかったことに気づいてきました(笑)
で、欲が出てきて言い放った言葉が下記w。
「A5かA6ぐらいまで一人で走ってもいい?そこで俺もリタイアするから。」
これ言っちゃあかんやつや、と反省しつつも、129㎞完走する気で来ていたのでさすがに30-40㎞では動き足らず、けっこう本気の提案ww
すると、それにイラっときたのか、
「それならタイムアウトになるまで、行けるところまでわたしも行く」
とな^^; さすが負けず嫌い。
これで方針が決まりました。
「行けるところまで行く」
パワーハイクへの作戦変更
「行けるところ」まで行くとはいっても、膝の状況は変わりません。まだ100㎞近く残っています。さて、どうするか。
ここで作戦を変更しました。
もともとはゆっくりでも”走る”ことを前提に計画を立てていたんですが、そのペースは気にせずにいくことにしました。つまり、膝への負担を軽減するために「走ることをやめました」。
残り100㎞はひたすら歩くことにしたんです(実際は少し走りましたが、基本は歩いた)。
ただ、テクテクと普通に歩いていたらあっという間にタイムアウトになってしまうので、ひたすら「パワーハイク」です。
名付けて「パワーハイク大作戦」。
パワーハイクの場合、どのくらいのペースで進めるのか?はなんとなくこれまでの経験から把握できていたので(フラットであれば10~12分/㎞ぐらい)、元々の計画と照らし合わせても、そう大差はない。膝の痛みが悪化してくると、下りが激遅になる可能性はあるけど、意外といけるかもしれない。
(でも本音としては、いくらパワーハイクで進んだとしても膝の痛みが悪化して途中でDNFだろうな、とこの時は思っていました)
そんなこんなで、とりあえずA3エイド(47㎞)に到着。なんとか二大巨頭を攻略です。
パーティー”山猿”は、1名瀕死の状態で命からがら休憩ポイントに辿り着きました。…ってなんかこう書いてると、ロングレースってほんとにドラクエですね(笑)
さて、パワーハイク作戦でいったいどこまでいけるのか。
DNFの危機から奇跡の復活。だからロングレースは面白いのです。
この写真は47㎞地点のA3エイドです。とりあえずなんとかここまできた。
別見出しでも書きますが、超充実のエイドでたんまりと補給をし、一緒に参戦していた相方の仲間ともエイドで合流し互いを励まし合い、さらに相方は、メッセンジャーでもちゃんぷ一派の仲間から激烈エールをもらっていたようでした。
「飯」と「仲間」の力は絶大で、エイドを出るときには、さっきまでの ”文句垂れ流しお豆腐メンタル” とは打って変わり、やる気オーラを纏っていました(笑)
次のエイドまでは12㎞。剣ヶ峰と武尊山の二大巨頭は終わったし、12㎞ならまだなんとかいける。
大半の参加者がそうだと思いますが、まだまだ遠すぎるフィニッシュ地点を目指すのではなく、「ひとつひとつ潰していく」というマインドに僕たちも完全に切り替えました。
目指すは2つ先のエイドでもなく、「1つ先」。ひとつひとつ。膝がいつまでもつかもわかんないし。
そんな思いを抱きながらA3エイドを出発。
一時は本気でDNFを考えましたが、ここから怒涛の復活劇が始まります。
これだからロングレースは面白い。何が起こるかわかりません。
「行けるところまで行く」っていうのもなんだか踏ん切りのつく決断で、気持ち的にも吹っ切れた感あり。行けるところまで行って、それでダメだったらしゃーないと。今の最大限の力を出して、やれることやって敵わなかったんなら、それはそれで納得できる。
僕自身も、「早すぎるDNF」という今回のレース最大の危機をなんとか乗り越え、再度エネルギーに満ちてきました。
この時点で時刻は17時過ぎ。エイドを出ればすぐに日が暮れて暗くなってきます。好きなナイトパートが始まるということもあり、さらにテンションアップ。
ちなみに残りの距離は……82㎞(笑)な、長ぃ…^^; いくら復活の兆しが見えたとはいっても長い… あ、ダメだダメだ、フィニッシュを目指すんじゃなかった。まずは12㎞先のエイドまで!
さて、ナイトパートのスタートです。
▼「参戦記⑥」へ
▼関連記事
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] […]
[…] […]