さぁ、いよいよ雪山登山開始。いってみよう、やってみよう。
スタート前の準備
さっさと雪山の絶景写真のパートまで飛んでしまいたいところだが、うざいぐらいに事細かに描いていこうと思う笑。なんせ「初めて」は一生に一度のこと。
まずは谷川岳ロープウェイで一気に標高を1500mまで上げる。我ら3人、いつもならロープウェイなんて使わないのだが、今回は特別だ。アテンドの山ちゃんを除き、なんせ WE ARE BIGGINER である。ていうか、文明の力、最強。
コロナの影響でマスク着用、会話お控えくださいのロープウェイの中でぺちゃくちゃと喋りながら笑、降り場に到着。いよいよ雪山に足を踏み出す。
ここから始まる、僕たちのSnow Mountain Story…(全然うまいこと言えない、語呂悪い)
雪面に降り立ってまず僕が発した言葉は、
「えーと、まずは… アイゼン装着すればいいんかな…?」
まぁ誰しも最初はこんなもんだ。何から手をつければいいのかすらわかっていない。初心者丸出し。
アイゼンは自分のブーツに合わせて事前のサイズ調整が多少必要なのだけど、前日夜にギリギリそれに気付いて一応調整を済ませてきていたのでこの場での“スーパーもたもた”はなんとか回避。
しかし、ブーツへの装着自体は初めて。案外スムーズに装着を完了した僕は、逆に装着にもたもたしている相方をやじりながら、次なる準備は何かと探る。
次はピッケルの装着だ。「リーシュ」というピッケルを繋ぎ止めておくための紐を体に襷掛けにする。
とりあえず、諸々の準備を進めながら記念すべき初雪山登山の記録を残さねば、とちょいちょいスマホやらGoProやらで撮影をしていたら準備が終わる頃には手がかじかんで動きが鈍い。これが雪山か。
いざ、登山開始
見渡す限りの銀世界。…は予想通りだったのだけど、積雪度合いがちょっと予想外のレベル(笑)さすが谷川岳。
そして、初めての雪山だしアイゼンつけて歩くのも初めてだし、まずは雪上を歩き慣れるところからだよね、とゆるふわスノーハイクを期待していた僕らの前には、いきなりのゲレンデ直登(笑)。さすが我ら“ゆるふわエクストリーマーズ”(別称”チームめんたいこ”)。
ゲレンデの登りに差し掛かるほんの数十メートルの間に、アイゼンでの歩行の感覚やらピッケルの使い勝手やらをインプットし、いざゲレンデ直登へ。スパルタだぜ。
雪上歩き
フカフカの雪を一歩一歩確かめるようにしてゆっくり進む。おわかりかと思うが、もうこれだけでめちゃくちゃ楽しい。
撮影するたびにグローブを外し、一瞬で指先が凍りつき、且つ、再度グローブを装着した時に毎回レインウェアの袖口をグローブの中にしまう(グローブ内に雪が侵入してくると悲惨なので)という取り回しをどうしたもんか、という以外は一歩一歩が新鮮でもうめちゃくちゃ楽しい。
切り裂きジャックに気をつけろ
ちなみに今回の山行用に持ってきたレインパンツは、初下ろしのOMMカムレイカパンツ。ちょうど上の動画に写っているものだ。
レインパンツといえば、昨年11月のOMM NOZAWA ONSENにて、初下ろしのTetonBros(諭吉さん2枚)のレインパンツを“藪漕ぎ”という名の悪魔に引き裂かれるという憂き目にあっているのだが、今回もまさか同じ悲劇が襲ってこようとは。
あなたは「アイゼン」というものをご存知だろうか?
そう、コイツだ。見てくれ、この鋭利な牙を。骨まで噛み砕けること請け合い。切り裂きジャック。布っ切れなんてチョチョイのチョイ。瞬殺。
併せて、あなたはご存知だろうか?僕がその昔ガニ股だったということを。トレイルランをするとふくらはぎ部分の汚れ度合いが超絶ひどいということを。
今でこそ血の滲むようなフォーム改善の努力によりだいぶマシになってきたのだが、長年のツケはなかなか強敵で今もその名残はある。
結論、ガニ股とアイゼンの相性はすこぶる悪い。
結果、こうなる。
記念に人差し指の第一関節までを埋めてみました。ほつれた糸の根本に着いた氷が「ここだよ、穴はここだよ」と教えてくれているようでなんだか切ない。切り裂かれはしなかったが、噛みつかれた。
ちなみにこの“切り裂きジャック”の被害に会ったのは試合開始の序盤だ。まだカラダが温まる前、ゲームに馴染む前のタイミングだ。ゲーム開始直後に攻め立ててくるあたり、ヤツは戦い方を熟知している。こちらの心をへし折るには十分すぎる先制攻撃だった。参った。
ちなみに試合終了後に被害状況を改めて確認したところ、他にも2、3被害箇所を発見した。へし折った心をグーの音も出ないほどに叩き潰してくるあたり、”ヤツ”は只者じゃない。
こうしてこの2ヶ月ほどの間にお安くないレインパンツが一名はほぼ死亡、一名は瀕死の重症となられた。手術を施してなんとか再度表舞台に立ってもらいたいと思っているが、いまだ手付かず。
これらの経験を踏まえたこちらの次回以降の戦略は、もうこれ一択。
2軍のレインパンツで臨む!!
2軍をメンバーに迎えるにあたっては、諭吉さんはもちろん登場させない。なんせこの2軍は「消耗品」のカテゴリーとなる。諭吉さんはそうそう消耗できない。できれば津田梅子氏(現在の5千円紙幣の顔)お一人で収まるレベルで迎え入れたいと思っている。
そうだ、ワークマンへ行こう。
(OMMでの悲劇の詳細は↓のレポをどうぞ)
【OMM参戦レポ④】OMM事件簿「不可抗力編」 | OMM JAPAN 2020 NOZAWA ONSEN(2020年11月6・7日)
ラッセル渋滞、そして撤退
切り裂きジャックの話で個人的には満足したのでもうレポ閉じてもいいかと思ったけど、もう少しだけ話を進めておく。
今回の谷川岳アタックは、結論から言うと、「撤退」をした。
もちろんピークを目指す計画だったが、山頂まで残り数百メートルというところで「ラッセル渋滞」に遭遇し、残り時間と停滞による寒さを考慮して、潔く撤退することに決めた。未練はなし。
山で一緒に遊ぶ友人や知人に対して「何を一番重要視するか」と問われたら、この部分かもしれない。つまり、「潔く撤退の判断をできるかどうか」。この価値観が異なっていると、自分や周りの大切な人の命を危険に晒すことになる。
山で長いこと遊んでいると「山の怖さ」を自然と知るようになるので、ある程度経験値のある山友であれば、概ねこの価値観は一致してくると思うが、山の経験が浅く且つ野望に満ち溢れた人種と山に行くときは気をつけた方がいいかもしれない。
話が逸れた。
「ラッセル渋滞」の様子はこちら。
行きはご覧の通りずっと真っ白けの世界だったのだが、遠目から「やけに人数の多い御一行がいるね」という話はしていた。まさかそれがラッセル渋滞だったとは。
この写真で人が列をなしているこのトレースも、この列の先頭にいる人が直前にラッセルをしてつけたものだ。その苦労計り知れない。頂上も見えないこんな天候の場合は「ルートファインディング」もしながらラッセルをしなきゃならない。その苦労の大きさは山にも勝る。って、あ、ここ山だった。
このときの気温は余裕のマイナス。且つ風もあったので体感はマイナス10度以下。ここまで順調に登ってきていたのでそれなりに汗もかいていた。故に一瞬で汗冷えしてほんとに寒い。中に一枚防寒着を着込もうにも寒すぎてレイン脱ぎたくない。(でもこういった時の一瞬の苦労=寒さを我慢して防寒着を中に一枚着るかどうか、が生死の分かれ目だったりする)
ラッセルを変わってあげたい気持ちは山々だったが(やったこともないのに)、列が長すぎて先頭まで出しゃばるのも憚られたので、ここでゆるふわエクストリーマーズ(チームめんたいこ)は撤退を決断。
初雪山レポ、「エクストリーム編」は一旦ここまで。
次回はお待ちかね「絶景編」。
▼レポート③「絶景編」はこちら
▼レポ①はこちら
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