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【参戦レポート①:総括】やっぱりロングレースって「旅」だよな(2021年12月29〜30日/KYOTO GREAT ROUND)

みなさま、2022年あけましておめでとうございます。

昨年も山猿日誌をご愛読?いただき誠にありがとうございました(半年以上更新サボったけどw)。今年もブログや各SNSを通じて、山ライフやランニングライフを発信し続けていきますので、引き続きよろしくお願い致します。

ということで、新年一発目の投稿は新年の抱負…ではなく、まずは昨年末の”大挑戦”を振り返っておきたいと思います。


(ここからは文末の口調を変えて)


2021年最後の挑戦として、「KYOTO GREAT ROUND 130」に12月29日〜30日にかけてチャレンジしてきた。130とあるが、実際は143km。

これまでの最長距離は130kmだったので今回は自己最長距離への挑戦となったわけだが、今回のレポ第1弾では、久々にロングレースに出て「改めて感じたこと」をまず書いておきたい。

「コースがどんな感じだったのか」や「140kmをどのように進んでいったのか」などの細かなレポートはこのレースに”出た人”か”出たい人”にしかおそらく面白みがないので笑 それは次回に譲るとして、今回のレポでは「改めて感じたこと=あぁ、ロングレースってやっぱりいいな」ということを共有させていただきたい。

これを読んで「自分もロングレースに挑戦してみたい!」と思ってもらえたらとても嬉しい。

目次

ロングレースはやっぱり「旅」だった

先だししてしまったが、「改めて感じたこと」とは、「あぁ、ロングレースってやっぱりいいな」ということなのだが、そう思った理由はズバリこれ。

ロングレースは「旅」である

身も蓋もない 且つ いまさら感のある話なのだけど、今回久々に100km超えのロングレースに参戦して感じたことは、これだった。

正直、走ってる最中はこんな悠長で壮大でロマンチックなことに想いを馳せている余裕はなく、凍える夜をいかに超え、眠気との戦いにいかに打ち勝ち、痛む足を引きずりながらいかに一歩一歩を踏み出すか、文字通り”生還”するために必死なのだが、レースを終えたいま、強くこれを感じている。

ちなみにこの「感じたこと」は今回に限らず、過去挑戦したロングレースでも同様に抱いた感情であるので、「改めて感じたこと」としている。

でもなぜそんな話を「改めて」持ち出しているのかというと、今回は過去に感じたそれよりも、さらに一歩踏み込んだ『なぜロングレースが「旅」と思えるのか』ということが、また少しわかった気がしたので、あえてまた触れようと思った次第だ。


これまで僕が『ロングレースは「旅」である』と感じていた理由はものすごく単純で、ただ単に「距離が長いから」だった。もちろんそれ以外の要素も感じていたとは思うが、それ以外の感情はこれまで特に言語化できていなかった。

ただ、今回ふと思ったことがあるのだ。

旅旅言ってるけど、「旅」って別に距離が長くなくても成立するよな?と。

移動距離が長ければ長いほど、確かにそれは「旅行」とはちょっと違って「旅」に近づく気はするのだけど、距離が長いことだけが「旅」じゃないよな?

もっと他に「旅だなー」と感じさせる要素がロングレースにはあるから『ロングレースは「旅」である』なんてカッコつけたことを毎回言ってる(感じてる)んだよな?と。

じゃあそれっていったい何だ??

「旅」を彩るものって何だろう

移動距離以外に「旅」を彩るものって何だろう?

こんな問いにあなただったらなんて答えるだろうか。

・初めてみる景色
・変わっていく景色
・未知の体験
・トラブル
・天候や気候の変化
・訪れた先々での人との出会い
・旅の道中に行きずれの人と交わす何気ない会話
・訪れた先々でお腹を満たしてくれるグルメ

他にもきっといろいろと思いつくものはあるだろう。

ちなみに上記で挙げたものは、いわゆる「旅ナカ(旅してる最中)」の話であって、「旅マエ」や「旅アト」まで含めると、もっといろいろと「旅を彩る要素」は出てくるはずだ。

で、つまり何が言いたいかというと、

あれ? これ、なんか、ロングレースに全部詰まってない??

ということ。

ロングレース未体験の人はさすがにこの感覚はわからないと思うので、代わりに僕がここで断言しておくが笑、ロングレースにはこれらすべてが詰まっているのだ!!(語気強め)

ちなみに「旅ナカ(レース中)はもちろんのこと、あえて細かく挙げなかった「旅マエ(レース前 ※直前ではなくもっと前段階から)」や「旅アト(レース後)」で考えてみても、ロングレースには本当にすべてが詰まっている。


先に挙げた「旅ナカ」については、せっかくなのでちょっとロングレースに置き換えてみようと思う。

<旅ナカ(ロングレース版)>

・初めてみる景色 ▶︎ 各レースで初めて出会うコースや景色
・変わっていく景色 ▶︎ レースを進めるにあたりどんどん移り変わっていく景色
・未知の体験 ▶︎ 幻覚w
・トラブル ▶︎ 体の異常やコースロストなど何かしら待ち受ける”困難”
・天候や気候の変化 ▶︎ 説明不要(変化への適応力はロングレース攻略の鍵)
・訪れた先々での人との出会い ▶︎ レース会場での仲間との再会、スタッフやボラさんとの触れ合い、地元の人の沿道での応援
・旅の道中に行きずれの人と交わす何気ない会話 ▶︎ レース途中にご一緒する”共にゴールを目指す同士”との励まし合いや何気ない会話
・訪れた先々でお腹を満たしてくれるグルメ ▶︎ 各エイドで振る舞われる食事や補給食

きっと上記のような感じではないだろうか。

「旅マエ」と「旅アト」については細々書かないが一言だけいうと、「ロングレースに臨むまでの準備」と「ロングレースが終わった後の余韻(「体の痛みや疲労感」と「共に頑張った仲間との打ち上げ」)」は総じて、楽しい。普通の旅でもこれはきっと同じだろう(体の痛みは違うかw)。

ちなみに「これってもっと短い距離のレースでもだいたい同じだよね?」と思った人もいるかもしれない。

これについては、経験を踏まえこう説明しておく。

ショートレースとロングレースとでは、「旅マエ(レース前)」と「旅ナカ(レース中)」にかける労力・時間・気持ちなどの”密度”が圧倒的に異なるのだ。(”マエ”と”ナカ”の密度が濃いので、結果的に”アト”も濃くなる)

なので、僕個人的にはやはりショートレースは「旅」とはいえない。


あ、そうだ。

上記でつらつらと書いた『「旅」を彩るもの』だが、これらに加えて、実は「通常の旅」にはなくて「ロングレース」に存在する、”あるもの”がある。

それが、ロングレースという「旅」を、より濃く彩ってくれていると思っているのだが…。

そう、「フィニッシュ」だ。

レースには「フィニッシュ」がある。皆が「おかえりー!」と迎え入れてくれる「フィニッシュ」があるのだ。

この「フィニッシュ」の存在がロングレースという「旅」を、より満足度の高い且つ感動的なものにしてくれることは想像に難くない。


長々と書いたが、これらのような『「旅」を彩るもの』が凝縮されているのが「ロングレース」なのである。

やっぱりロングレースって「旅」だよな。

「ロングレース」と「カスタマージャーニー」の話

突然だが、マーケティング用語の「カスタマージャーニー」という言葉をご存知だろうか。

直訳すると「顧客の旅」という意味だが、ざっくりいうと、顧客の購買行動を「認知・検討・購買・利用」といった購買前後までを含めた時系列で可視化し、そのプロセスごとにペルソナ(ターゲットとする顧客像)の行動・思考・感情などを分析してマーケティングに活かすフレームワークのことをいう。

顧客行動プロセスを把握し、どのタイミングで、どのような情報を顧客に提供するべきなのかを正確に掴むこと、がこのフレームワークの要諦だ。


え、いきなり何の話ししてんのって?

えーと、これは「KYOTO GREAT ROUND」という大会がとても素晴らしかったよ、という話なのだが、つまるところ、今回僕はとても「満足度が高い」のである。

端的にいうと、

・各エイドスタッフのホスピタリティや声掛け
・エイドとしてはとても豪華な補給食(けんちん汁にカレーにBBQ!)
・当初知らされていなかった臨時エイドのサプライズ
・「いいのわたるの勝手にエイド」のサプライズ笑
・フィニッシャーに贈られた完走盾とフィニッシャーベスト
・”京都一周”というそもそもロマンに溢れる設定

などなど。

つまり、主催者と僕(=参加者)との直接的なタッチポイントでいうと、主には旅ナカの話になるのだが、旅ナカにおいては、主催者の手厚いホスピタリティにより、僕は「当日の参加プロセス」において、適切な(時に予想以上の)サービス提供を受けた、という感覚がある。だから満足度が高い。

単純な話だが、主催であるトレイルフェストさんは僕の期待値を超えたサービス提供をしてくれた、ということだ。

ブレてよくわからないけど、これ「いいのわたる」さん。「いいのわたるの勝手にエイド」と称して、夜中にコースを逆走しながらすれ違った選手一人一人に温かいミルクティーとホットカルピスを振る舞ってくれた。

主催者が万全の準備と精一杯のおもてなしで「旅ナカ」を充実させてくれたことは言うまでもないが、加えて「140km超のレース」という、そう簡単にはいかないチャレンジングなそのもの自体が、「旅マエ」と「旅アト」の密度を濃くし濃密なものとしてくれた。

これは”ハードルの高い”ロングレース特有のものだと思う。

「ロングレースへの参加(挑戦)」を、認知・検討・購買・利用という購買行動に(強引に)なぞらえていうと、レース認知→参加検討→エントリー→トレーニング/準備→レース本番→フィニッシュ、と各プロセスがあるわけだが、自発的な行動も含めロングレースはそのすべてのプロセスにおいて、僕を(参加者を)楽しませてくれた。

そういう意味で、やはり「ロングレースは”旅”」であり、主催者のホスピタリティや工夫によってさらに”満足度の高い旅”へと昇華するものだと感じた。


今大会を主催してくれたトレイルフェストならびにボランティアスタッフの方々には改めて感謝を申し上げたい。

今年は第2回ということで、昨年の経験も踏まえての開催であったと思うが、去年も参加した参加者に聞くと、去年に比べ諸々(特にエイド!)パワーアップしていたとのこと。嬉しい限りです。

ありがとうございました!

次回は「レースレポート」として今回の旅をより細かく振り返ります。

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