レポート第7弾。今回がラストです。
最後は、次回このドMレースに参加する方に少しは参考となるであろう情報をお届けします。
テーマは以下。
「持参した行動食はどれだけ消費したか」
それと最後に「まとめ」を少し。
持参した行動食はどれだけ消費したか
エイドの充実っぷりをおさらい
このテーマは僕自身が正直かなり悩みました。なぜなら上州武尊はエイドが超充実しているから。
まずはそのエイドの充実っぷりをおさらいしておきます。
全部は撮影していませんが、提供された食事たちの写真を並べてみます。
▼A1:川場村のブドウが激うま。漬物もうれしい。
▼A2:A2に限らずほとんどのエイドで出てきたオレンジとバナナ。オレンジは一つ一つにわざわざ切込みが入っていて、その心遣いに感動(入っていないエイドもあったけど笑)。オレンジがおいしすぎて毎エイドでたぶん丸々1玉分は食べました。
▼A2は温泉饅頭もありました。もちろん食べた。梅干しでの塩分補給も超大事。
▼A3:豚汁に豆腐にかぼちゃにチョコパイにトマトにオレンジになんでもあり。至れり尽くせり。
▼A4:コーンスープ。染みます。
▼A5:カレー!ほんとに美味しい!ちなみに食べ忘れたけどA5ではミニカップラーメンもあります。去年食べまくったウィンナーが品切れなのか見当たらなかったのが残念。
▼A7の素麺。味付がしっかりしていて感動のうまさ。
写真はありませんが、この他にカステラ、おにぎり、チョコ、チーズ、菓子パン、コーラ、アクエリ、ジェル、などなど本当になんでもあります。食べすぎ注意です。
どれだけ行動食を消費したか
で、本題。
「どれだけ行動食を消費したか」ですが、わかりやすいように「どれだけ持っていって」「どれだけ減ったか」をBefore & Afterでお見せします(笑)
エイドがこれだけ充実しているので、エイドでの補給を前提に準備すれば、それだけ「軽量化」はできます。ランナーとしては「少しでも軽くしたい」というのが本音です。(行動食はたくさん持つとけっこう重い)。
でも、山における装備は、”万が一”を想定することが大前提であることも十分にわかっています。
エイドが超充実しているとはいっても、”万が一”エイド間で遭難したらそこから頼れるのは自分で持参した食料だけ。当たり前です。そんなことを考え出すと、やっぱりしっかりと手持ちで持っていく必要がある。
…と、準備段階ではこんな葛藤がありました。
でも事実、去年の75㎞のレースでも半分以上の行動食が余りました。
さて、どうするか。
で、結論としては、さすがに全行動時間分を持参するのは現実的ではないので、
「各エイドで300kcal程度を補給する」
という想定の元、準備をしました。(結局そっちかよ!とか言わないで)
上記を前提に持参すべき必要エネルギー量をざっくり計算すると、
■レース全体の必要エネルギー量:
400kcal/h×31時間 = ① 12,400kcal
■レース全体の必要エネルギー量(脂肪エネルギーでまかなう30%を差引く):
12,400kcal×70% = ② 8,680kcal
■筋肉中のエネルギー貯蔵量:
2,000kcal(貯蔵グリコーゲン量)×75% = ③ 1,500kcal
※25%は血中に貯蔵
■エイドでの補給エネルギー量:300kcal×7ヶ所 = ④ 2,100kcal
つまり、
②8,680kcal-(③1,500kcal+④2,100kcal)= 【 5,080kcal 】
が持参すべき必要エネルギー量になります。
※完走目標タイム(今回でいうと「31時間」)と、脂肪エネルギーを使える割合(今回でいうと「30%」)は人によって変動するので、最終的な必要エネルギー量も変動します。
準備した行動食
上記の計算をもとに今回準備した行動食はこちら。(A5のオグナ武尊スキー場でドロップバックを一度受け取れるので、前半用と後半用に分けています。)
▼前半分
▼後半分
ざっくり、前半は2,000kcal超、後半は3,000kcal弱という感じ(厳密には計算してません)。後半は給食の出るエイドが少なくなるので、トレイルバター(これ一つで700kcal!)を入れました。
で、Before & After がこちら。
▼前半。(上:Befoe、下:After)
▼後半
前半はスカスカ…(笑)自分でも思っていた以上に補給していました。
とにかくエネルギー切れを起こさないように、細々と食べ続けていたのは確か。各エイドでも300kcalどころではなく相当食べていたので笑、前半だけで動きながら3,500~4,000kcalぐらいは摂取していたのではないでしょうか。
後半は、前半で余った分をそのまま持っていったので、写真で減っている分よりは消費していますが、2,000~3,000kcalぐらいですかねー。
トータルでみると、半分ぐらい余った、という結果でした。
これを、「このぐらいでちょうどよかった」と捉えるか、「もっと減らせたな」と捉えるかは人それぞれ。走力や内臓の強さなどを含めた、自らの「実力」と照らし合わせて、”自己責任”のもと準備をすればよいかと思います。
僕としては、このぐらいでちょうどいいというのが率直な感想。山の中で水や食料が徐々になくなっていくときの不安に比べれば、「余るぐらいがちょうどいい」です。
来年参加される方は是非ご参考に!
まとめ
最後にまとめ。ようやくここまできました(笑)
実はあと他に、
Garminが途中ご臨終となって充電しようとしたら接続ケーブルを忘れていたことに気づいてショックを受けたことや、
皮膚保護クリーム「Protect J1」を前夜と早朝の2回足の裏に塗りたくったら想像以上に効果を発揮してくれたこと、
などいくつか書こうと思っていた内容がありましたが、やめます(笑)というか、そんな些細なことは上記の一文で十分か(笑)
ここまでいろんな切り口から今回の129㎞を振り返ってきましたが、無事に完走できて本当によかった。そして、自信になりました。
眠気対策という課題は残りましたが、レース後のダメージも少なく(というか筋肉痛一切こなかった驚)、自分の肉体の成長を感じることができました。
たいしてハードなトレーニングをしているつもりもないけど、絶景見たさに北アルプスに登ったり、都内に用事があるときは銭湯とセットで街ランしたり、とにかく楽しみながら毎週末運動していたら、いつのまにか動ける体になっていたという感じ。
129㎞なんて途方もない距離です。トレラン始めてからしばらくして、そういう世界があるんだと知った時に、普通に「ありえない」と思ったし、それに出ている人たちを完全に「別世界の人」と認識していました。
僕もある程度はMであることを自覚してますので、フルマラソンに毛が生えたぐらいの距離はそのうちやるだろうなーとは思っていたけど、まさか本当にこんな距離のレースにチャレンジすることになるとは夢にも思っていませんでしたよね…。
「なんでそんなつらいことするの?」「何が楽しいの?」とちょくちょく聞かれますが、おそらく僕はプロセスすべてを楽しんでいるんです。レースはそのほんの一部分でしかない。
レースに向けた準備、大きな目標に向けた仲間との切磋琢磨、自分自身との対話、新しく繋がる仲間の輪、すべてが自分の人生を豊かにしてくれる。トレランを通して、これらがより濃くなっていっているのを感じます。
最後に。
上州武尊は本当に最高の大会だと思います。コースはめちゃくちゃえぐいけど、その分それに見合うだけの達成感がある。チャレンジのしがいがあります。累積標高9,200mっていうのは、完走したからこそ言えますが、「めっちゃ誇らしい」です(笑)
そしてなによりもレースを支えるスタッフ、そしてボランティアの方々が本当に本当にあたたかい。心から感謝です。
もうこうなったら次は100マイルしかなくなりました。
来年、100マイル挑戦します。
UTMF、当たりやがれ、こんちくしょー!
これにてレポート完結。
▼参戦記①~⑥はこちら。
コメント
コメント一覧 (3件)
先々週の上州武尊山で遭遇してびっくりしました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1595381.html
確かに何が楽しいのかは自虐的すぎて(自分の山登りもそうですが)、係の人に聞いたら約1000人ぐらいのヒト(変態?)が参加しているとか。何だっけ、日本海から浜松までやるあの山岳レースに参加している方もいるとか。みんな田中陽樹さんかい(笑)女性のほうがなんか筋肉質で凄かった。面白いもの、ありがとう。翌日下山して帰宅する際も道端に何人か川場に向かって壊れそうに走って(歩いて)ましたね。本当にご苦労さまでした。
らは様
コメントいただいていたのにすみません!ご返信失念しておりました…
その節はハイキングの最中に此度の大会ランナーが大勢でトレイルを占拠し申し訳ございませんでした笑。
そのように仰っていただけるハイカーの方は珍しいかと思います^^;救われます。日本海から浜松までの山岳レースは
TJAR(トランスジャパンアルプスレース)ですね。僕らのレースも129㎞とまぁまぁ変態ですが、TJARや田中陽樹さんとはレベルが違いますね。。
川場に向かって壊れそうに… というくだり。それはきっとすでに「壊れている」人多数だったのではないかと笑。
ブログを読んでいただき、コメントまでいただき、ありがとうございました!
[…] […]