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【UTMF2019 参戦記④】時系列振り返り(A2麓~A4精進湖)

時系列振り返り。今回はA2麓からA4精進湖まで。

▼スタートからA2麓まではこちら。

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悪夢の大渋滞となった前半の山場「天子山地」をようやく終え、一つ目のサポートエイドとなる「麓」に到着する。

目次

A2(麓)~A3(本栖湖)【51~66㎞】

【A2麓データ】

予定時刻(IN):20:55
実績時刻(IN):23:14(差異:+139分)

予定時刻(OUT):21:15
実績時刻(OUT):23:52(差異:+152分)

累積時間:(IN)11時間14分 (OUT)11時間52分
通過順位:(IN)1686位 (OUT)1576位

天子山地でごぼう抜き

まずエイドでの”いろいろ”の前に通過順位を見てほしい。前記事になるが、A1富士宮OUT時の順位は1903位だったが、麓では1686位でINしていている。何度もいうように「悪夢のような渋滞」だったので、トレイル上ではほぼ追い越しはできなかった。

ではどこでこんなにパスしていたかというと、定かではないがおそらく、天子山塊にある各ピーク(長者ヶ岳、天子ヶ岳、熊森山)でゴソッと抜いた気がする。ボリュームゾーンの選手は、ほとんどの選手が各ピークで一度「一休み」をするのだが、チーム山猿にそんな選択肢はない。そんなことをしたら「登りの女王」に置いていかれてしまう。

泣きの「ちょっと待って」をいれても、確保できる時間は最低限の補給用に1~2分程度しかない。

各ピークでそれぞれ30~40人程度は抜いているだろうから、そこで大きくジャンプアップをしているはず。あとは渋滞しながらも少しずつパスしていたのと、ロード区間はすべて止まらずに走り続けたので、その辺りを加えて「トータル217人」をパスできたのだろう。

あんなドロドロのコンディションでなければ、もしかしたらもっとこの区間で順位を上げれていたかもしれない。

1つ目のサポートエイド「麓」

麓ではサポートのネムさんと再会。初めてサポートを付けてレースに臨んだのだが、これはなかなか嬉しい。元気が出る。待っている人がいると人は頑張れるのだ。

麓到着は予定より約2時間20分の遅れ。さすがに「ここまで遅れるとは…」という感じだったが、体も心もまだまだスーパー元気なのと、サポートはもちろんのこと、他にもちゃんぷさんや他の仲間たちとのやり取りでさらに元気をもらった。悲壮感はまったくなし。

富士宮焼きそばをなんとかGETしメダリスト飲料を補充した後、すぐにサポートエリアへ。富士宮焼きそばは、もしかしたら「残りわずか!」な可能性が見た目からしてあったので無事GETできて一安心。

サポートエリアには大きな水たまりができており、ここでもずっと雨が降っていたことが見受けられた。僕らが麓に入ったタイミングではちょうど雨は上がっていたが、麓のサポートエリアは屋根がないので、もし雨が降っていたら選手もサポートも本当に大変だ。止んでくれて本当によかった。

サポートが用意してくれた温かいカフェオレが身に染みる。状況によってはここでカフェイン入りジェル(メイタン)を投入しようかと思ったが、まだ本格的な眠気は感じていなかったので(熊森の下りで滑って後頭部打って覚醒したので)メイタンは補給せず。(当然差し替えるジップロックにはメイタンを入れている)

エイドでやるべきことをぼちぼちやりつつその時間を楽しんでいたのだが、楽しい時間はすぐに過ぎ行くもの。そろそろ行かなくては。

一通りの補給を済ませると最後に念のためトイレに行っておきたくなり、トイレへGO。そのトイレから戻ってくると、なにやら仁王像の如く相方が腰に手を当てて立っているではないか…。

どうやら予定時間を過ぎてしまっているらしい。「はよ!」と急かされながら麓エイドを後にした。

「はよ!」のくだりは相方のブログより下記抜粋。(※下記「(ネ)」はサポートのネムさんのこと)

麓での休憩時間は約40分。

ちょっと長すぎた。着替えたり、食べたり、準備したり。

タイムキープはしてもらっていたものの、バタバタしてて思ったより時間がかかってしまった。

というか、相方の安定のもたもたにより、だいぶロス。

(猿)「あ、トイレ行ってなかった…」
(亀)「はよ行けし(笑)」
(ネ)「あと3分ですよ・・・」

(猿)「あ、ジェルしまってない・・・」
(亀)「はよ・・・(怒)」
(ネ)「3分過ぎてますよ・・・」

(猿)「あ、インサレーションしまわな・・・」
(亀)「(略)・・・」
(ネ)「5分過ぎてます・・・」

(猿)「ちょっと待って、ライト・・・」
(亀)「はよーーーー!!!」
(ネ)「(爆笑)」

いつもの通りなんだけど、あらためて相方がもたもたしすぎて笑うしかない。

サポーターさんと2人でせかしつつ、10分ロス。

長い旅路には「笑い」も必要なのだ。

竜ヶ岳へ

麓を出て次に目指すは「竜ヶ岳」。

麓を出たのが24時前だったので、ここからは完全に「深夜パート」となる。ここからはいつものレースであれば確実に「眠気」との戦いが始まるのだが、今回は果たしてどうか。

竜ヶ岳でも渋滞となると、登りでスローペースになったときに眠気がくるかもしれないな…と一応の想定は立てる。最悪そのときはメイタンを投入しよう。でも正直メイタンは効きすぎるが故にその反動も怖く(カフェイン含有量100~200mg)、できればまだ使わずにいきたい。なんせこの夜を超えても、もう一晩あるのだ。

「メイタン投入は二晩目」が自分の中では理想の補給計画である。

通常のロングレースは早朝スタートなので一晩目から確実にかなりの眠気に襲われるのだが、UTMFはお昼スタート。そのアドバンテージもあるし、おそらく天子山地ほどの渋滞もないはずなので、ガシガシ登れれば眠気もそう来ないはず。(眠気対策の結果は別記事でまとめる)

竜ヶ岳に関しては、予想通り天子山地ほどの”永遠の渋滞”はなく、比較的自分たちのペースで進むことができたが、それも「天子山地に比べればマシ」といった感じ。

サーフェスは天子山地同様に酷い状況で靴の裏にへばりつくような泥で、場所によっては靴が脱げそうになるレベル。踏み込む場所を間違えると数十センチは沈み込む。踏み込んだ跡は、左右の足跡の中央部が高く盛り上がり、その”中央の壁”を避けながら足を置く場所を決めていく。

竜ヶ岳はそこから続く本栖湖外輪山と併せてハイカーにも人気のコースなので、山を荒らしてしまったことに対しては申し訳ない気持ちでいっぱい。

竜ヶ岳を下り終えると、そこからエイドまでは基本ロードが続くのだが、ここでめちゃくちゃパスした。竜ヶ岳のドロドロの下りの疲労に、夜の眠気もあるのだろう。他の選手がトボトボと歩いている中、僕らは一歩も止まらずにエイドまでのロードを走り続けた。「強くなったなぁ」と実感した瞬間だった。

A3(本栖湖)~A4(精進湖)【66~78㎞】

【A3本栖湖データ】

予定時刻(IN):0:15
実績時刻(IN):03:42(差異:+207分) 

予定時刻(OUT):0:30
実績時刻(OUT):03:57(差異:+207分)

累積時間:(IN)15時間42分 (OUT)15間57分
通過順位:(IN)1498位 (OUT)1355位

A3本栖湖到着

A3本栖湖到着。ここはサポートエイドではないので、滞在は予定通り15分で出発。本栖湖では天子山地と竜ヶ岳の渋滞で低体温気味になっている選手もちらほら出ていたが、僕たちは最後のロードを走り続けたこともあり体の冷えも特にない。補給も問題なくできている。

上記通過順位のINとOUTの差を見てほしいのだが、このエイドだけで「143人」をパスしている。ここまでの道程が、路面状況・気候条件など含め、いかに過酷だったかを物語っている気がする。

A4精進湖へ。極上の本栖湖外輪山トレイル。

本栖湖から精進湖までは12㎞。ここからは本栖湖外輪山だ。ここはこれまでプライベートや試走で何度か来ているのだが、本当に最っ高のフカフカトレイルが待っている区間だ。

時間帯的には夜が明けて明るくなってくるので、天候が回復すれば早朝のおいしい山の空気を吸いながらフカフカのトレイルを楽しめるという最高のシチュエーションになる…。果たしてどうか。

結果、最高のトレイルが待ってくれていた。

多少の泥濘はあるもののそんなものはいつものこと。「いつまでも走っていたいトレイル」がそこにはあった。ここを走ったことがない人は是非一度走ってみてもらいたい。

案の定、それはそれは気持ち良く走っていたので眠気もこない。空が明るくなってくると、鳥たちが鳴き始める。

「鳥たちが鳴き始める」なんていうと”ヒロキ”こと石川弘樹がいえば格好よくも聞こえるのだが、あえて僕にも言わせてほしい。

朝になると鳥たちが鳴き始めて、そのさえずりが、また一日の始まりを告げてくれるのだ。

これは「早朝の山」を経験した人にしかわからないかもしれないが、うっそうとした早朝の静かな森の中で鳥のさえずりが響き渡るあの空間と時間は、余計なものがすべて洗い流されるような、本当に清々しくて素晴らしい時間である。

by 山猿

…ということで、ようやくA4精進湖に到着。ここまでもいろいろあったが、無事に2日目の朝を迎えた。

参戦記⑤につづく。

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