参戦記①で、UTMFを通して僕が最も強く感じた「核心部」については述べた。
ざっくり一言でまとめると、「UTMF最高だった!」ってことなんだが(いや、もうちょい深いか)、その中で「参加者それぞれにストーリーがあって、どれもこれも面白い」といったことを書いたが、第2弾はそんな僕自身の「UTMFストーリー」をお届けしたい。
▼参戦記①はこちら
お届けしたいというとなんだか生意気だが、相方と二人で走るロングレースはだいたいいつも珍道中だったりするので、そんな珍道中を読んでケラケラ笑ってもらえるといいのかも(今回はそんなに事件はなかったけど)。
また、時系列で振り返るので、今回のUTMFがレース前後も含めてどんな大会だったかを追体験してもらえればと思う。今後ロングレースに挑戦したいと思っている人にとって、もしかしたら何か参考になることもあるかもしれない。
いろいろな意味でメモリアルなレースとなった「平成最後のUTMF」を今後何かのタイミングで振り返った時に、「あぁ、こんなレースだったんだな」と思い出せるように、その時々の状況や感情の変化、出来事をできる限り記録しておきたい。
ちなみにタイトルの通り、今回の記事ではまだスタートしないので悪しからず。
当日以前
おいおい、時系列ってそこからか、と思った皆さま。はい、そのとおり、振り返りはそこからである。
なぜならご存知の通り、UTMFというレースは当日の頑張りだとかノリだとか、そんな甘っちょろいものだけでどうにかなるものではなく、数か月以上(人によっては一年以上)の準備期間をもって、満を持して当日を迎えるレースだから。当日だけを振り返るのは惜しいのだ。
UTMFに向けてどれだけ走ったか
とはいっても、一年前からこと細かに振り返るわけにはいかないので、”当日以前のネタ”として、とりあえず「過去一年間の月間走行距離」を載せておきたい。(単純に自分がどれだけ走ったのか興味があるだけ)
別にUTMFだけのために走っていたわけでもないし、レース分も含めている 且つ、単純に月間走行距離を伸ばせばいい、というものでもないのは承知の上だが、僕はこれだけの距離を毎月走っていたらしい。
2018年5月 208㎞
2018年6月 195㎞
2018年7月 183㎞
2018年8月 203㎞
2018年9月 164㎞
2018年10月 151㎞
2018年11月 221㎞
2018年12月 213㎞
2019年1月 220㎞
2019年2月 245㎞
2019年3月 216㎞
2019年4月 129㎞(UTMF除く)
この距離を多いとみるか少ないとみるかは人それぞれだと思うが、ここにはひとつ「数値には表れていないポイント」があるので、それだけはお伝えしておきたい。
それは、これらの距離のほとんどを「ゆっくり長く動く」ことを前提に走っていたということ(特に12月以降)。
僕は「楽しんで走る」ことがモットーなので、街ランやらマラニックやらスタンプラリーやら、なにかにつけて「自分たちが楽しめる形」で距離を稼いでいった。走ることをトレーニングではなく、すべて「遊び」にした。
「遊び」なので苦しいのは厳禁。心肺的には追い込まない。「遊び」なのでご褒美付き。ゴール地点には銭湯あり、腹が減ったらコンビニで美味しいものを補給。
そんな感じなので必然的にゆっくりとスローペースで走る機会が多かった気がする。そしたら、なんだか知らないうちに100マイル仕様の体に仕上がっていた。(フィニッシュしていないのでなんとも言えないが、114㎞地点の体の状態としては、過去の100㎞越えレースで経験したことのないレベルで元気だったので、いい感じに仕上がっていたのではないかと思う。)
準備(ギア、補給食)
▼ギア一覧。この写真からウェアなど一部変更しているが、大きくは変更なし。今回はこのギアで臨んだ。ただし、反省点も多々あり。それは別記事でまとめて書く予定。
▼補給食一式。これに加え、たまごパンやブラッグサンダー、サポートエイド用のカップ麺系などの固形物が別にあり。
▼補給食は、各エイド間での必要エネルギー量に基づいて事前に袋分け。エイドでは基本袋ごとまるっと入れ替え(ジップロックごと差し替える)、エイドでの「どれ持っていこうかな」という余計な思考を省く。まぁ実際は、僕らはトップ選手じゃないのでそこまでストイックなピットイン(=エイド作業)ではないけど笑
今回の戦闘服
これは記念投稿。最近トレラン系アパレルで流行りの「くすみ系アースカラー」ではなく、とにかくわかりやすい「はっきり系ビビットカラー」でいくことに。(特に深い理由はなく、単に最近買ったウェアだから)
スタート時は「赤」、その後どこかのエイドで「黄」に変更する予定でサポートにウェアを預ける。赤→黄の順番の理由は、疲れた後半戦にクッション重視のHOKA(スピードゴート3)を履きたくて、それが黄色だったから。「後半クッション作戦」は正解だったと思う。
現地入り~スタート
現地入り、受付&必携装備チェック
現地入りは26日木曜夜。相方は木曜から休みを取っていたので僕より早く現地入りし、必携装備のチェックも完了状態。僕は前日受付には間に合わず、前日は宿への宿泊のみ。
必携装備のチェックについては、可能であれば前日に済ませておいたほうがいい。それができなくても、当日朝早くには会場に行き、さっさと済ませてしまうのが賢明。
レースカテゴリーがUTMF一本となったことによる参加者増の影響もあり(STYは今年から消滅)、必携チェックと受付は大混雑。
僕は朝早めに会場入りしたのでなんとか必携チェック待ちの大行列は免れたが、あの雨の中、行列に並んでいた選手は気の毒でしかなかった。さぞかし、レース前に余計なエネルギーを浪費したに違いない。
100マイルレースは大半の選手が「2昼夜」にかけて動き続けることになるレースである。一日で終わるような50~80㎞ぐらいのレースとはわけが違うのだ。レース前に「いかにリラックスした状態で無駄なエネルギーロスをせずに過ごせるか」は、完走に向けてかなり重要なポイントだと思う。
レース中にもいえることだが(今回のレースでは特に)、レース受付においても、「ボリュームゾーン」は避けるプランニングが必要だ(←超真面目な話です)。
話変わって、宿泊先のホテルでは余裕をもって準備を進めることができた。UTMFは早朝スタートではないので、いつもの生活リズムでも大丈夫なのがありがたい。マメ対策用のプロテクトJ1を足裏に塗りたくり、23時頃には就寝。
(翌日、足裏に塗りたくったプロテクトJ1が雨で溶けて、履いていたウーフォス(リカバリーサンダル)がぬるぬるになったことは良き思い出)
神サポート「ネムネムさん」との合流
今回のUTMFではサポートをお願いした。我らがサポーターはネムネムさん。
ネムネムさんとは以前から何度かレースで軽く挨拶をしていたのと、お互いにブログをやっており相互に認識はしていた。ネムネムさんももちろんUTMFの参戦を目指していたが、残念ながら結果は落選。その落選直後のツイートで「サポート希望の方がいたらお声掛けを!」的なツイートがあり、すぐにDMを入れたのが今回のタッグのきっかけ。
結論からいうと、このネムネムさんのサポートが本当に神だった。今回のレースを順調に進めることができたのは間違いなくネムネムさんのサポートのおかげである。
ロングレースのサポートは、ロングレースの経験者がいいのは言うまでもないが、ネムネムさんは昨年の上州武尊120K(129㎞)などを完走しており、トレランにも造詣が深い。そして何より、機転が利き、気遣いが素晴らしい。
今回もスタート前からサポートの存在は絶大で、レース前の本降りの雨のときはサポートカーで雨宿りができた。しかも、車内に流れる音楽はミスチル。最高じゃないか。(僕とネムネムさんは84年生まれの同い年)
もしサポートがいなかったら、レース前から土砂降りの雨のなか受付の行列に並び、受付終了後も雨宿りする場所を探して彷徨い(かろうじてテントがあったが明らかにキャパオーバーでおそらく中はすし詰め状態)、スタートに向けた心の準備もままならない状態でスタートを迎えることになっていたであろう。
そう考えるとゾッとする。
もはやもう来年のUTMFでもネムネムさんは落選でいいから、またサポートをお願いしたいぐらいだ。僕は来年確実に参戦するために寄付金枠を狙って今からコツコツと貯金を始めるが、ネムネムさんに対しては、「落選の念」を今後一年間日々送り続けようと思う。(←最低なヤツw でもそれ程に助かった)
※ネムネムさんブログ:DEBUがサブ3と100マイルを目指す!
ちなみに、「ネムネム」とネムを毎回2回言うのが面倒だったので、呼び方を途中から「ネムさん」にしれっと変えたのはここだけの話。
レース前の天候
すでに度々書いているが、レース前の天候はあいにくの雨となった。御殿場駅からスタート会場までは送迎バスで移動したのだが、バスに乗っているとポツポツと雨が降ってきて、その雨がだんだんと強くなり、雨足が最大値に達したところでスタート会場のこどもの国へ到着…。おい。どんなタイミングで強くなっとんねん。マジでタイミング考えろし。
その後、多少の強弱はあれど基本は雨。
前述の「車で雨宿り」ができなかったらスタート前からずぶ濡れとなり、相方のテンションも確実に落ちて、その後の114㎞を楽しく走ることができたかどうか正直怪しいところだ。(スタート前30分程は小雨に変わってくれたのがせめてもの救い)
走り出してしまえば雨でもたいして気にならないのだが、スタート前の雨はつらい。
レース前その他諸々
会場では多くの知り合いやフォロワーさんにも会えた。これも毎回のレースの楽しみ。
ちゃんぷ練「100マイル完走させます」
半分ぐらいしか合流できず全メンバー揃っていないのが心残りだが、ちゃんぷ練「100マイル完走させます」のメンバーたち。
去年の12月末から約4ヶ月間、ちゃんぷ。さんの指導の下、100マイルを完走するためのさまざまな知恵とスキルを授かった。100マイルという「大きな山」を越えるのに、仲間がいるのはやはり大きい。みんな山とトレランが大好きな仲間。
テーピング(ゴンテックス)
今回のテーピングは5か所。
- 膝
- 脚の付け根前側
- 脚の付け根体側
- 背中
- 肩
膝と背中については、ゴンテックスブースにてプロにお願い。これけっこう効いた気がする。付け根の2箇所はロングレースで毎回貼っている箇所。効いているのかはわからない。ちなみに背中と肩は、ザックとの擦れ対策が主な目的。
膝頭に「OK?」とニコちゃんイラストあり。なくしてほしい。
UTMF MARCHE
ここは記念に写真だけ。
そろそろスタートしないとレポが完結しない気がしてきたので、レース前についてはこのぐらいにしておく。次からは一気にレースレポに突入する。
いざ、UTMFスタート。
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コメント
コメント一覧 (8件)
遅くなりましたが、UTMFお疲れさまでした~応援ナビでフォローしておりましたよ。お二人の着実な足取りが頼もしくもあり、それ故に中止の報を見た時は思わず絶句してしまいました。
毎度の緻密なレポートさすがです。特にスタート前の「雨宿り」のくだりでしょうか(笑)
それはそうと、ワタクシ、ソロで1度STYを走ったことがありまして、2015年のスタート前(こどもの国の雨!)の状況がソックリ!すべてにおいて共感しました。やっぱり、UTMFは格別感ありますよね。雨でネガティブになっても、吹き飛ぶくらいの…ワレラ夫婦にとってもいつかは走ってみたい憧れのレースです。
今後のレポート楽しみにしております!
おーももさん!ご無沙汰してます!
応援ナビで追ってくれていたんですね…嬉しいです。ありがとうございます。
ブログにも書きましたが、不思議と悔いはなくスッキリしています。
理由が「あの天候」だったので、自然には抗えないときっぱりと諦めがついたのかもしれません笑。
2015年もスタート前は雨だったんですね。スタート前の雨はほんとつらいですね^^;
今回の経験はまったく無駄になっていないと思っているので、今回の経験を活かしてさらに強くなって
山猿夫婦も必ずUTMFは完走しますよー!
ももさん夫婦も是非一緒にチャレンジしましょう!
続き、そろそろ書きます(笑)
[…] 【UTMF2019 参戦記②】時系列振り返り(~スタート迄)【UTMF2019 参戦記③】時系列振り返り(スタート~A2麓)【UTMF2019 参戦記④】時系列振り返り(A2麓~A4精進湖)【UTMF2019 参戦記⑤】時系列振り返り(A4精進湖~A6忍野 ※レース短縮)【UTMF参戦記⑥】「マメ対策」に「眠気対策」… 試したこと”アレコレ”の結果全振り返り。 […]
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