OMM本栖湖、レポート第2弾は「装備」について。
本当は今回参戦した「ストレートB」について、樹海を彷徨った話だったり、人にはいえない超絶凡ミスをかました話だったりと、それなりにいくつかあった”事件”のことでも書こうかと思ったのだけど、それってまぁ出た人にしかわからないよね、ってことで今回は封印。
その辺りの話は、実際にOMMに出た人たちとの”内輪トーク”だけで盛り上がりたいと思う。
それと、とりあえず僕がOMMの参戦レポートで毎回強く伝えたいのは「OMMって最高だぜ、みんな出ようぜ」ってことに尽きるのだけど、そのあたりは過去記事にたんまり書いてきたのでそちらに譲る。
これ(【OMM参戦レポ①】やっぱり「唯一無二」なんだよな | OMM JAPAN 2020 NOZAWA ONSEN(2020年11月6・7日))とか、これ(【雑記】「OMM JAPAN 2019」 参戦レポートの前に、まずはOMMの『楽しさ』を語っておく。)とか。
今回はもう少し、OMMに限らない”汎用性”のある話をお届けしようと思う。
ということで、「装備」の話。
「OMMにこんなもの持っていったよ!」っていうところはもちろんだけど、そこから「軽量化するためにこんなアプローチしました」という話と、最終的に「軽量化に対する考え方(受け売りっていうか抜粋)」みたいなところまでちょっと深く踏み込んでみた。
OMMで必要となる装備(ざっくりいうと)
まず「どんな装備で臨んだか」の前に、そもそもOMMでは「どんな装備が必要なのか」について、触れておく。
ざっくりいうとこれだ。
「指定された衣類、装備、2日間の食料、緊急用の食料、着替えなどを全て着用、または持ち歩かなくてはいけません(ザックのデポ、荷物の一部を経路の途中に置いたまま移動することは不可です)。」
これはOMMのイベントプログラムの中にある「基本ルール」に記載されている内容。
つまり「必要な装備」は、「何が起きても一晩はとりあえず対応できる2日分の衣食住」である。
OMM必携装備品リスト(実際のリスト)
上記を踏まえ、OMMの必携装備品リストを見てみる。
これらを一つのザックに詰め込まなければいけない。
ざっと見た感じでは、普通の登山の装備とそう大きくは変わらないと思えるが、留意すべき点は、OMMとは「単なる山歩きとは異なる」ということ。
時に道なき道を進み、時にロードをひた走り、時に藪をこぎ、時に壁を登り、時に崖をくだり、とまぁまぁ激しめのアクティビティが伴う。
カテゴリーによっては、1日の行動距離がどんなに最短で突き進んだとしても余裕で30kmとか超えてくるので(うちの相方はストレートEに参戦して初日だけで50km行動したw)、つまり「重いといろいろと辛い」のである。
「軽量化」のためのスタート地点
そんな事情があるので、OMMの準備(パッキング)においては、やはり「少しでも軽くしたい」というのが心情。ということで、必然的に「軽量化」を考えることになるのだが、今年は一つ軽量化のための新しいアプローチをしてみた。
それは少し前にこんな雑誌を読んだことがきっかけ。
タイトルの通り、軽量化にまつわるあれやこれやが書いてあるのだが、巻頭特集の”達人たち”の対談の中でこんなことが書いてあった。
道具ひとつひとつの重さを量った上で重量入りのギアリストを作るべし。それがまずはスタート地点。
軽いというのは概念。それをきっちり数値に置き換えて客観的に比較できるようにすることが大切。
なんのことはない言われてみれば”至極当然”のことなので、特に目から鱗というわけでもなかったけど、これまではやってこなかった。
なぜかって?面倒だったからw
【公開】OMM本栖湖 山猿の「重量入り装備品リスト」
ということで、今回は重い腰をあげてやってみた。
結果、完成した装備品リスト(重量入り)がこちら。
先に赤字部分を補足しておく。
Base Weight : 水分、食料、燃料などを除いた重量
Pack Weight : 水分、食料、燃料も含めた総重量
である。
これはファストパッキングやUL(ウルトラライト)というジャンルの中で出てくる定義だが、Base Weightを4.5kg以内にできると晴れて「うん、キミ、ULだね」ということになるらしい。
なので、今回の僕はBase Weight = 約5.2kgなので残念ながら不合格。
まぁこれは蛇足。
ギアリストの作成にあたっては、せっかくだからブランド名と商品名まで事細かに調べながら作成してみたのだけど、これが作り始めたら楽しくて楽しくて没頭してしまった。
OMM前日に準備をしていたので、”良い塩梅”でこの楽しさに区切りをつけるのが大変だった。
まぁこれもちょい蛇足。
ちなみに重量の量り方は「デジタル体重計」。体重計だと軽すぎて計測対象外のものは、商品サイトを確認して公表重量をチェックした。
上記のリストの通り、僕の今回のWeightは、
Base Weight : 約5.2kg
Pack Weight : 約8.0kg
となった。
うん、まだ削れそうだけどまぁまぁかな、というのがひとまずの自己評価。
実際のザックの中身とパッキング後の写真
実際のザックの中身と、水分を除いた他すべてを詰め込んだパッキング後の状態を写真で紹介する。
<ザックの中身>
まずこちらはBase Weight。ザック自体の重量も含めこれで約5.2kg(※厳密には燃料もこの写真に含まれてはいる)。
お次はこちら。食料(とお酒とお菓子)。食料はこの写真を撮影した後でもう一食分カップラーメンを追加した。これにスタート時の水分1Lが追加で約2.8kgぐらい。お酒は鬼ころしと梅酒の原液。いずれも「度数高めで少量で酔える」ことがポイント。
<パッキング後の状態>
上記を詰め込んで、〆てこれで総重量約8kg。ザック容量は30L(パーゴワークスRUSH30)。
ここ1〜2年のプライベートでの1泊2日ぐらいの山行だとPack Weightで9〜10kgはいっていたので、それに比べるとだいぶ軽量化された。実際に背負った感じも「あ、なんかいつもより軽いかも」だった。(実際軽い)
ここでは細かくは分析しないけど、もちろん「削れる箇所」はいくつか発見している。
テント(ヘリテイジ/クロスオーバードーム)も今回は2人用だし(1人用は上位カテゴリー参戦の相方に譲った)、シュラフもマットも軽量化なんてまだ意識になかったテン泊初心者時代に最初に買ったものをずっと使ってるのでそれももっと削れる。
そもそもBase Weight頑張って削ってるのに、お菓子・お酒1300gってなんだよ…とかw(OMMではキャンプサイトでの”宴会”も楽しみの一つなのである!)
ちなみにクロスオーバードームは軽量 且つ 設営撤収簡単で普通にオススメ。愛用者多数。
↓1人用
↓2人用
【結論】作ってよかった「重量入りギアリスト」
いろいろと書いてきたけど、結論、重量入りギアリスト、作ってよかった。
「可視化」できたことで”何が重かったのか””何を削れそうか”などの明確な気づきがあった。これを踏まえて、次への改善に繋げられる。
そして何がよかったって、何よりこの作業、純粋に楽しいw 面倒くさいと思ってたけどなにこれ超楽しいww グラム単位で軽量化していくのとかちょっとバカバカしくない?って思ってたけど、めっちゃこれ積み重ねwww
確実に軽くなる。体感としてめっちゃ軽くなる。
最後に”達人”の言葉をいくつか紹介して締めよう。是非噛み締めてほしい。
「書く、量る」をやらないのは、ダイエットしたいのに体重計に乗らないのと一緒。体重計に乗らないと現在の体重がわからないし、何kgを目指してダイエットするのか、具体的な目標も立てらない。
背負うザックの大きさ、詰め込む荷物の量は不安の大きさ、不安の数。
ギアリストを作って、これは大事、大事ではないというのを改めて考えていく。それが自分の荷物と向き合うということ。自分が何を背負っているかを理解すると、単に不要なものを削る以上に、安心感と充実感を得られる。
いやぁー、深い!軽量化への道も、こりゃ楽しそうだ。
■参戦レポート①はこちら
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